第一章 君はもし私が死ぬって言ったらどんな顔をするのかな
「水乃 叶音さんの脳には脊髄小脳変性症という病気にかかっています。」
「先生!!叶音は大丈夫なんですか?」
静かな病室、誰もいない個室、廊下のところで泣いているお母さんの声が聞こえる。お母さんが泣いているので分かった、私はもう治らない病気だということ、私はもう永くないのだということ。
ガラ!
いきなり病室の扉が開いてお母さんとお父さんがいて、二人の前には息を切らした翔がいた。
入院する半年前
今日から高校生!新しい生活のはじまりだ!
「あの、これ落としましたよ。」
私の後ろには、身長167CMくらいの、この人も私と同じ1年の男子。
「あ、うん」
ハンカチを拾ってもらったのに、あ、うんって私バカだ。名前、聞けば
よかった。
「新入生の皆さんご入学おめでとう。」
「校長の話なっが。」
「叶音寝かけてたじゃん。」
「だって眠くて。」
その日の帰りどこからともなく、バイオリンの音がする。
公園をのぞいて見ると今朝ハンカチを拾ってくれた人。
桜がまるで音にあわせて踊っているみたい。
「へぇ、バイオリン上手だね。あ、私水乃 叶音。かなうってかいて、おとってかいてかのん。よろしくね。」
「僕は東間 翔、ひがしのあいだにふつうのしょうとかいてあずましょう。」
「ふつうって。にしてもいいなぁ。」
「えっ」
「私、バイオリン弾きたかったんだぁ。でも、無理だった。どうやっても音が出ないの。まぁ、ギコギコいってたけど。でも私は、フルートが私には合ってるんだ。いまあるけど、聴く?」
「えっ、じゃあ、はい。」
「OK、じゃあモーツアルトで。」
私がフルートを吹いて3/1くらいで翔はフルートにバイオリンを合わせてきた。とても楽しくて私には忘れられない思い出となった。
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