カウンター☢マジックテロリズム

諏戸名 友人

プロローグ

 ――――考えた事はないだろうか?


 このたまらなく平和で平凡な日常。

 しかしそんな日常が打ち砕かれる日が、いつか自分にも来るんじゃないか?

 ……って。 


 そう例えば殺人事件や銀行強盗、小さい規模で言えば不良に絡まれたりとか、友達が不良にリンチにされてたりとか……。


 そんな場面に出くわした時、どうしようもなく平凡で何の特殊能力も無い自分は、無力で何も出来ないんじゃないか…………そう思った事が、きっとあるはずだ。


 だから……そんな平凡な自分でも抗う力が、『戦う力』が必要だと思わないか?


 俺、日向ひゅうが七御斗なおとはその『力』を『銃』だと思っていた。


 『銃』は良い。

 引き金を引くだけで弾が出る。弾が出れば戦える。銃には体格差なんて関係ない。

 素早く、かつ接近する危険を冒さず相手を無力化出来る。


 『銃』こそ、人類が生み出した究極の武器の1つであり、最高の攻撃方法の1つ。




 そう思っていた。――――――――そう、



 だが俺は――――出会ってしまった。


 


 


 

 銃で撃たれてもすぐに傷を癒し、放たれた弾丸を謎の力で受け止め、銃の破壊力なんて比べ物にもならない、まるで『魔法』みたいな異能の力を平然と振るう。


 たった今、そんな無茶苦茶な人間、いや女性が2人、満身創痍の俺の目の前で睨みあっている。


 その片方は俺より年下の女の子で、俺が通う高校と同じ制服を着ている。

 少女の風に流れる長髪は燃えるように赤く、彼女の機械仕掛けの巨大な両腕はまるで『ドラゴン』の手のようだ。


 そんな人間離れした少女が俺の前に立ち、俺に背中を向け、俺を守ってくれている。

 少女は美しい赤髪をはためかせながら俺の方に振り向くと――――言った。


「……ご無事ですか? 日向ひゅうが七御斗なおと

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