月夜の散歩
さかもと希夢
1
一体全体、何故こんな事になってしまったんだろう……。
明信は、苦悩していた。
目の前には、金網がある。
といっても鉄格子ではない、あの動物小屋によく取り付けてある金網である。もう、閉じこめられてから三時間になるのに、一向に誰かが現れて助けてくれる様子はない。
力ずくでこの金網を破るのも困難そうだし、自分のミスで閉じこめられたくせに、勝手に金網を壊してしまったら、絶対に怒られるに決まっている。
後ろでは、小さな生き物たちが、ごそごそ動き回っている。彼らは明信を見ると、おねだりするクセがついているので、おそらく今が食事時間だと勘違いしているのだろう。
そのくせ金網にしがみついたままの明信を、その小さきもの達はおもいきり警戒している。彼らはとってもデリケートで臆病なのだ。できればいなくなってやりたいが、そうも行かないのが悲しい。
小さき者たちは『出ていって~』と思っているだろうが、こっちは『出してくれ~』と言いたい。
唯一の救いは、明日の朝になれば誰かが必ずここにきて、この檻から出してくれることだ。しかも今はありがたいことに真冬ではないから、凍える心配もない。長くても、最長十二時間くらいの辛抱である。
明信が閉じこめられているのは、とある動物園の『ふれあい動物広場』と呼ばれる場所の一角にある、小動物の小屋である。小さきものとは、丸っこくてつぶらな瞳をして、しっぽがなくて『ぽえぽえ』と餌をねだる、ちょっと鼻の下が長い天竺ネズミ……通称モルモットのことなのだ。
「お前ら、今晩俺ここに泊まるから、よろしくな」
人を呼ぶことを諦めた明信は、そういって柔らかな替えたての牧草の上に座った。
食事の時は、うるさいほど群がってくる彼らは、明信が食事をくれるのではないことを知ると、団子状態になって警戒して彼に近づいて来る様子もない。
「薄情なヤツだなぁ……少し俺に安らぎを分けてくれよ」
ぽつりと呟いてみたものの、本当に迷惑しているのは彼らの方なのだから、それは無理というものだ。いっていれば、この夜の飼育小屋では、彼がよそ者なのだから。
運のいいことに、この小屋の奥には水道があり、水を飲むことには苦労しない。とあるテレビ番組の企画では、何日間も飲まず食わずでも生きていたタレントもいたし、十二時間くらい楽なもんだろう。
だがモルモットの方は堪らないだろうなと、ちょっと申し訳なく思う。モルモットは臆病な動物で、ストレスを溜めやすい。大人しいため、こうしてふれあい広場に住んでいたりするが、本当はこういう事に不向きな生き物なのだ。
勿論担当飼育係のアルバイトである明信が、知らないはずはない。
仕方なく明信は、渋々小屋の奥にある飼育係の掃除用具や、餌やりの道具が置いてある部屋へと移動することにした。モルモットにストレスを与えて病気にしたら、上司に何と言われるか、考えるだけでも気が滅入る。
それならまだ、自分が風邪を引く方がましと言うものだ。
そこは、床面がコンクリートで牧草もなく、風通しも悪い。窓はあるにはあるのだが、出るには狭すぎる。物置状態のその部屋の中で唯一、横になれそうなのは、水道の近くだけだった。
とりあえず自分の場所を確保した明信は、水でも飲んで落ち着くことにした。閉じこめられてから一時間もの間、助けを呼び続けていたものだから喉がカラカラだ。
蛇口を思いきりひねると、冷たい水が溢れてくる。口を湿らせてから顔を洗い、ようやく人心地ついた。
それにしても、どうして入口が開かなくなってしまったのだろうか?
前々から思ってはいたのだが、この小屋の飼育員出入り口は立て付けが悪い。今までは開かなくなるほどではなかったし、この扉は脆いから壊してしまうことはあっても、閉じこめられる事はないだろうとたかをくくっていたが、してやられた。
「ここから出たら、園長に業者呼んで貰おう」
一人寂しく呟きながら、明信は出しっぱなしにしていた蛇口を止めた。この蛇口も前々から締まりが悪い。
静かな小屋の中で、水の『ぽちゃん、ぽちゃん』という音だけが響くのは、何となく怖いような気がしたが、仕方なかった。
「試練だなぁ」
結局独り言を言う以外、やることもなく、コンクリートの上にごろりと寝そべった。もの凄く背中が痛い。仕方なくモルモット用の牧草を持ってきて下に敷くことにした。
「動物気分、もしくは、江戸時代の牢獄気分?」
誰が聞くでもない一言を呟いて、その上にごろりと転がる。本当に、もうやれることが何もない。明信にできることと言ったら寝る事くらいだ。
「おやすみ、モル。また明日な」
目を閉じた彼の耳には、蛇口から滴る……ぽっちゃん……ぽっちゃん………という規則正しい水の音がやけに大きく反響して響いていた。
何だか、水の底にでもいるみたいだなと、何気なくそう思った。
「つめて~!」
寝ていた明信は、飛び上がった。起きあがってみると、蛇口の下のコンクリートブロックで出来た水受けに、水が溜まっている。しかもその水は、水受けから流れ出し、明信の寝ていたわらをしっとりと濡らしていた。
「床上浸水気分だな、こりゃ」
仕方なく牧草を片づけて、蛇口の受け皿の水を抜くことにした。きっと何かが吸い込み口に詰まったのだろうと、手を伸ばす。
こういう時は大抵、掃除用具を洗った時に出来るゴミが吸い込み口に詰まっているものだ。例としてあげると、牧草、野菜屑、堅い糞等々。汚れたら、蛇口使えるしいいよな、と気楽に手を突っ込んだ。
「何のゴミかなぁ~……うわっ!!」
明信は、思わず叫び声を挙げて手を水からだし、後ろにひっくり返ってしまった。丁度後ろに片付けて置いた、ぬれた牧草にまともに尻餅をつく。
夢なら覚めてくれと願いながら、自分の手がちゃんと機能していることをじっと確認し、おそるおそるもう一度水の中に手を入れてみた。
だが最初のあの不気味な感触は、夢でも手の異常でもなかった。慌てて両手を入れてみてようやくその異常事態を頭で理解する。
ブロック塀で出来た深さ一五センチほどの水受けには、底がなかったのである。
「夢でも見てんのかなぁ」
一度出した両手を、再度度水に手を入れてみる事にした。でも何度確認しても答えは同じで、やっぱり水受けには底がない。
「何だよ、これ……」
水道水ではあり得ないくらい冷たい水で冷えてしまった手を引き上げ、じっと受け皿の水を観察する。
下が詰まっている時の水は濁っていて、モルモットたちの毛が結構浮いていたりするのだが、この水はいやに透明度が高い。
そのくせ底は見えなかった。
何というのか、昔テレビで見た岩手県の龍泉洞のように、底の方にいくほど美しいエメラルド色なのだ。
「俺、寝ぼけてんのかなぁ……」
信じられない光景を見ると、人間は大抵現実逃避したくなるものである。明信も勿論例外ではない。
しばし考え込んでいたが、明信は確信した。これは夢だ。現実の自分はきっと、飼育小屋で寝こけているに違いない。
それならこの状況を楽しんでもバチは当たらないのでは?
そう思うと急に気が楽になった。
「リアルな夢だなぁ~」
呟きながら水に手を入れる。よく見るとこの水、下の方から湧いてきているようだ。だから湧き水独特の清々しい冷たさを感じたのだろう。
夢なのだから飲んでみても大丈夫だよな、などと勝手に考えて、明信はその水を両手ですくってみた。
「塩素の匂い、しねえや」
見れば見るほど美味そうな水だった。
「飲んでみよう」
明信が決意して、水を口元に持っていこうとした瞬間、突然水受けの水が光った。
「何だよこれ!」
驚いて後ろに下がると、受け皿の水は美しい満月を映し出していた。
「満月? 何で?」
ここには屋根があるのに……。
わけが分からなくなってきた。混乱する明信の周りに、受け皿から溢れた水がゆっくりと染み出していた。足下までじわじわと水が迫ってきている。次から次へと湧いてくるとめどない水が、いよいよ小屋の床まで浸水し始めたのだ。
「何だよこれ!」
水は徐々にわき出る速度を増し、小屋の中にたまり始めた。じたばたしている間に、水は明信のくるぶしまで上がってきていた。
「パニックになってるの?」
焦ってじたばたしていた明信の耳に、ふと小さな声が聞こえた。
「パニックになってるね」
「どうするの?」
「どうしよう?」
また聞こえた。小さな子供のような声だ。どうやら沢山いるらしい。
「見えないね」
「うん」
声はモルモットがいる、小屋の前方から聞こえてくる。まさかとは思うが、閉園時に外に出ないで隠れていた子供がいたのだろうか?
しかも大人数?
「そりゃ、いくら何でも無理だよ」
動物園には確かに隠れるところはいくらでもあるが、警備員は勿論、人を捜すプロでもある。まさかこんなに大量の子供が園内に残っているのを、見逃すわけもない。
もしやして幽霊?
明信は少しビビリながらそう思ったが、すぐにその考えを頭からたたき出した。そんなことより、子供に助けを呼んでくれるよう頼めば、ここから出られるかもしれない。
飼育小屋に閉じこめられた飼育員を、子供に見せるのは恥ずかしいが、こんな水浸しのところで過ごせるわけもない。恥を忍んで頼むことにした。
「こんばんわ~誰かいるのかな?」
優しいお兄さんを装って、明信は飼育小屋の前面の扉を開け、中に入った。すぐ目の前に飛び込んできたのは、真っ正面に見える、異常に大きい満月だった。
「外は満月だったのか」
口の中で呟くと、金網の外に目を向けた。
「出てきちゃったの!」
「でてきちゃったね」
すぐそばで声がした、慌てて人のいい顔を作って金網の外を見てみたが、そこには満月があるだけで、誰もいない。でも声は聞こえる。
「ど……何処にいるのかなぁ? 隠れてないで出てきてくれるかな?」
明信は恐怖に顔を引きつらせながら、必死に笑顔を作って呼びかける、
「呼んでるよ?」
「呼んでるね」
声は聞こえど、姿は見えず。
やはりこれは、聞いてはいけない人たちの声だったんだと、奥の部屋に駆け込もうとしたが、もう戻れないことがドアを開けてすぐに分かった。飼育員の裏部屋には水が溢れ、その水は深いエメラルドグリーンで、そして水の上には満月が大きく映っていた。
明信は恐る恐る足を入れてみた。水はもの凄く冷たく、夏である今は気持ちよかったが、でも問題なのは深さだった。先ほどの水受けのこともあるし、何となく嫌な予感がした。
そしてその予感は見事に的中してしまったのである。
水には、底がなかった。
「マジかよ……」
混乱する明信が面白いのか、子供のような謎の声は、さらに楽しげにざわめく。
「どうしてびっくりするの?」
「きっとお水が沢山あるからだよ」
底のない水と、謎の声だけが聞こえてくる、この極限状態の恐怖と苛立ちから、明信は思わず怒鳴ってしまった。
「隠れてないで出てこい! お前ら何なんだ!」
謎の声はぴたっと止まった。それと同時に小さなカサカサという音が響く。聞き慣れた牧草を踏む音だ。
モルモットは臆病な動物だと知っている明信は、一瞬後悔したが、恐怖で叫びだしてしまったら止まらないのが人間というもの、またすぐに叫びだしていた。
「何だよ、何で隠れるんだよ? 出てこいよ! 俺がビビってんの見て、面白がってるのか!」
叫ぶだけ叫んでから、明信は一息ついた。
冷静になって考えてみると、これはかなり滑稽な行動だろう。だが冷静になったからといって、あの裏部屋に底のない水が広がっている事の意味は分からない。
ヘナヘナと座り込む明信の横には、いつの間にか明信が唯一触らせてもらえる大人しいモルモットがいた。
茶色の大きなお尻で、顔は茶色・白・黒に綺麗に三色分かれている。耳は少し他のモルモットに比べて大きめで、しかもピンクの綺麗なくちびるをしていた。
明信はこのモルモットを一番可愛がっている。他のモルモットは、彼が餌を持ってきた時だけ、彼と仲良くしてくれるが、こいつだけはそうではなかった。
「もるすけ。俺、夢見てんのかなぁ? 狂っちゃったのかなぁ?」
彼が仮にもるすけと命名したモルモットの頭を撫でると、もるすけは明信の顔をじっと見てため息をついた。
……ため息?
「もるすけ、お前モルモットのくせに、何でため息なんてつくんだ?」
不思議そうに尋ねる明信をみて、もるすけはまたため息をついた。今度はご丁寧に首まで振っている。
「……女の子なのに……」
もるすけは先ほどから聞こえていた子供のような声で、そう呟いた。
「も、も、もるすけ! お前しゃべれるのか?」
気が付くと、もるすけの後ろには、数匹のモルモットがゾロゾロとついてきている。
「あのね、今日は満月なの。だからお出かけなの」
「そうだよ、お出かけ」
「お出かけ」
もるすけの言葉に共鳴するように、全てのモルモットがそう明信に告げた。
「ど、何処へ?」
もるすけはくりくりした大きな目の片方で、器用にもウインクして見せた。
「散歩なの」
「いや、だから、何処へ?」
「森なの」
もるすけがそういうと、モルモットたちはみんな、全くの脈絡もなく口々にいかに森が楽しくていいところかを語り始めた。
「美味しい草があるの」
「美味しい木の実があるの」
「涼しくて、いい匂いなの」
「いっぱいお昼寝できるの」
彼女(彼ら?)の言っていることを総合すると、そんなところらしい。圧倒的に食べ物の話をしているやつが多いのは、草食動物らしくて、何となく和む。
そして明信は、この状況を冷静に考えた。
「俺、夢見てる……ぜってー夢見てる」
先ほどよりもなお強く確信する。それ以外に、彼の状況を説明できるものは無いと見た。
再び混乱が静かに収まっていく。夢なら夢で、この状況を楽しめばいいじゃないか。そう開き直ると元々楽観的な明信は、気が楽になった。
「もるすけ、どうやっていくんだよ?」
自分を取り戻してきた明信が、もるすけに尋ねると、もるすけは自信満々(無表情だがそう見える)に、トコトコ歩いて、裏部屋の水の前に進んだ。
モルモットたちは一列に並んで歩く習性があるから、もるすけの後ろを一列についていく。
「ここに入るの」
「底のない水の中にか? お前達、水が苦手じゃなかったか?」
驚いて聞く明信を不思議そうに眺めて、もるすけは器用にも小さな前足で水の表面をぴたぴた叩いた。すると不思議なことに、その水はもるすけに答えるように一斉に波立ち始めたのだ。
「な、何?」
驚く明信を後目にモルモットたちは、口々に『もういいね』とか『そろそろ入れるね』などと呟きながら。水の中に入る準備を始めた。準備と言っても、明信には一斉に毛繕いをし始めたようにしか見えないのだが。
「水だけど、水じゃないの」
もるすけは、明信にそう告げると、後ろ足で耳の中をカリカリと掃除した。毛繕いを終えたモルモットたちは、もるすけを先頭に一列に並んだ。どうやらこの水にはいる順番は、モルモットたちの中で決まっているらしい。
「おにーさんも一緒に行く?」
もるすけがつぶらな瞳で明信を誘った。勿論これが夢だと信じている明信に異存はない。
「何だかわかんないけど、行く」
一人と一匹は、澄んだ深い水のほとりに立った。もるすけは何となく嬉しそうだが、明信は不安でいっぱいだ。だが、ここまで来たら行くしかない。
モルモットたちは、一斉に早くいこうと催促を始めた。
「いくよ、おにーさんは、並んで行かなくていいの?」
一応人間なので、モル行列に入ることは遠慮したい。
「大丈夫。一人で入れるよ」
もるすけと明信は一緒に水の中へ足を踏み入れた。冷たい感覚が明信の足にひしひしと伝わってくる。思わず足を出して牧草の上に戻してしまった。
頭の中に『飼育員、モルモット小屋で水死』という新聞の見出しが一瞬だけ浮かんだが、横を見るとモルモットたちがためらいなく、次々に水の中に入っていくのが見えた。
一匹が水に入るたびに、ちゃぽんという小さい音が聞こえてきた。
「モルが行くのに、俺がビビってどうする」
明信はそう自分を励ますと、勇気を出して耳につばを付け、軽く屈伸運動などをしてから、一気に水の中に飛び込んだ。
水の冷たさに震え上がる。
呼吸は止めたままだ。
彼が横を見ると、モルモットたちは列を作ったまま、楽しげにポエポエ鳴きながら、のんびりと一列に歩いて進んでいるのが見えた。
彼らはいつもと何ら変わりない。どうやら明信の方が重いので先に沈んでいくらしい。
この寒いのに、モルモットは全くそれを感じ取っている様子はなさそうだ。もしかしたら毛が生えているから寒くないのかだろうか?
それにしても呼吸が苦しくなってきた。やっぱりモルモットの誘いに乗って、水に入るべきではなかったのかもしれない。
呼吸がもの凄く苦しい。
やっぱり現実の自分は、モルモットの小屋で窒息死して明日の新聞に載ったりするのか?
そんなことを思っているうちに、先頭のもるすけに追いついてしまった。
もるすけは、ちょっと顔を上の方に向けて、楽しげに進んでいた。だがようやく苦しげに真っ赤な顔をした明信に気が付いたらしい。
「何で息止めてるの? 息吸えるのに」
もるすけは不思議そうに明信に尋ねた。そういったもるすけの体は、透明の膜で覆われている。よくよく見てみると、自分の腕も同様で、何か透明な膜で被われているようだった。気が付かなかったが、これの御陰で彼らは平気らしい。
「先に言ってくれ!」
明信は恐る恐る呼吸をした。なるほど確かに息が吸える。しかもとても綺麗な空気だ、滝の側で呼吸をしているような、そんな感じなのである。
これが今話題のマイナスイオンか? そんな馬鹿なことを考えていると、もるすけが小さな手を動かした。呼んでいるようだ。
振り返ると、もるすけと目が合う。
「おにーさん、もうひとつあるの」
もるすけが相変わらず楽しそうに言った。
「おにーさん重たいから、後ろ足から降りられないよ」
「へ? どういうこと?」
モルモットに自分の足を後ろ足と言われてしまうのもびっくりだが、足で降りられないとは?
そんなことを話しているうちにも、明信はどんどん下に落ちている。もるすけからもどんどん離れているようだ。
「多分前足か、お顔から落ちるよ」
「何だって? どうしたらいいんだよ~!」
叫びながら、明信はどんどん下に落ちていって、ついにもるすけの視界から消えた。
「痛いけど、怪我しないから大丈夫……もう聞こえないね」
その頃の明信は、ひたすら落ちていた。気のせいかスピードが増しているような気がする。どうやらこの水は人間が入っていくようには、出来ていないらしい。
落ちながらも、目の縁に、他の小屋にいたウサギの姿が目に入った。
「何でウサギまで?」
しかもその先には、プレーリードックの一団もあり、下を目指していた。
「草食動物の国なのか?」
そんなことを思った瞬間、目の前がパッと明るく光って、明信は眩しさに目を閉じた。
その直後に襲ってきた衝撃に、彼は気を失った。
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