第0.2話

「頭痛が痛いと大変だよね〜」

「はぁ? 沙羅魅それ重語だぞ」

「え、なにそれ?」

「頭痛って言葉の中に痛いって意味が入ってるから痛いが2重になって変ってこと」

「なるほど、夏は暑いとかご飯が美味しいとかね!」

「そゆこと」

「じゃあさ、なんて言えばいいの?」

「そりゃ、頭痛が面白いとか頭痛がかわいいとか言えばいいんだろ」

「え~、それだったら頭痛が腹立たしいとかの方があってるよ~」

「まぁ、そうとも言うな」


「沙羅魅、空腹でお腹超すいちゃった〜」

「おい、それまた重語だぞ!」

「そっか。お腹はすくものだもんね。沙羅魅のお腹超かわいい!」

「それはどうなんだ?」

「え~、かわいいよ~」

「おめぇのかわいいとこは顔だろ?」

「あ、そっか! って、照れるじゃんw」

「別に褒めてねぇし! 本当のこと言っただけだし!」

「え、褒められてないのに嬉しいってこれ何? しかもなんだか腹立たしい気分にもなってきたよ!」

「つまりそれは空腹で腹が立ったってことだろ」

「あ、なるへそ~。お腹だけになるへそ~」


「ねぇねぇ、このいちごのショートケーキって重語じゃない?」

「え、なんでだよ?」

「だってショートケーキって言ったら、いちご載ってるやつねってみんなわかるじゃん」

「たしかにそうだな! ってことはオレが食べてるバニラアイスも重語じゃん!」

「え、なんで?」

「いいか、ただのアイスって言ったら何味を思い浮かべる?」

「バ、バニラだ~!」

「だろ! ってことはバニラアイスは2段重ねのバニラ味のアイスじゃないといけないわけよ」

「そうなるね! ってことはいちごのショートケーキはいちごが2つ載ってないとダメってこと?」

「そうなるな!」

「やだ~、みんな損してるじゃん!」

「きっとこれはケーキ屋の陰謀だぜ」

「絶対そうだね。気づいちゃったね!」

「でも、大きな声で声に出すなよ。気づいたことに気づかれたら確実にオレら消されるぜ」

「うん。お客さんにスパイが紛れ込んでるかもしれないもんね!」


この後も2人は野菜サラダ、チーズグラタン、海老の天ぷら、栗のモンブラン、キャベツの千切りの話題で話が盛り上りヒートアップしたのだった。

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