第196話

「ねぇ、公ちゃん。しりとりしよ」

「いいぜ。で今日は何しりとりだ?」

「う~んとね。国しりとり!」

「それめっちゃ難しくね?」

「難しい方がやりがいを感じるでしょ♪」

「まぁ、そうだな。じゃあ、かかってこいよ」

「行くよ。アメリカ!」

「いきなりアメリカか。じゃあ、ドイツ!」

「え、ドイツ?」

「人じゃねぇぞ」

「知ってるよ。ただちょっとびっくりしただけ」

「で?」

「じゃあ、メキシコ!」

「オランダ」

「ドミニカ!」

「ロシア」

「フラ……イギリス!」

「お、おめぇ、あぶねぇなぁ。ギリギリ回避したな!」

「負けるとこだったw」


「よし。コートジボワール」

「え、そんな国あるの?」

「あるだろ。ロシアの隣りら辺に」

「そっか。じゃあ、チェコ!」

「アムステルダム」

「え、そんな国あるの?」

「オランダら辺にあるだろ。アムステルダムの鐘って言うだろ」

「え、ノートルダムの鐘じゃない?」

「そうともいうな」

「え、違うと思うよ~」

「じゃあいいか。これを両方英語にするぞ。訳してみろ」

「いいよ」

「アイム ステル ダム」

「私はダムを捨てる」

「ノー トル ダム」

「ダムを取っちゃダメ」

「って、ことだよ!」

「え、沙羅魅わかんない! たぶんこれみんなもわかんないよ!」

「はぁ、みんなって誰だよ?」

「読者とか作者とか!」


「いいか。Aさんがいるとしよう。仮に名前をオラさんにするぞ」

「んだ!」

「オラさんはダムを捨てたわけよ」

「んだ!」

「で、どいつかわからねぇけど、隣りのやつが捨てられたダムを拾おうとしたわけよ」

「んで?」

「オラさんはそのダムは拾うな! ノー! って言ったわけよ」

「あ、そういうこと!」

「そういうこと!」

「つまりダムって男が捨てられた場所ってわけね♪」

「次、沙羅魅の番だぞ」


「じゃあね、ノルウェー!」

「ハワイ」

「ホノルル!」

「ブラジル」

「トルコ!」

「サウジアラビア」

「オーストリア!」

「はぁ? そんな国ねぇし」

「あ、オーストラリア!」

「今のでお手つき一回な」

「ヤバイ、あとがなくなっちゃった……」

「お手つきすると緊張するよな。カザフスタじゃなくて、ブルガリア」

「モロッコ!」

「アフガニスタじゃなくて、ベラルーシ」

「プエルトリコ!」

「パキスじゃなくて、ウズベキスじゃなくてリビア」

「公ちゃんさっきからずる~い! ポルトガル!」

「ずるくねぇし! イスラエル!」


「え~、そろそろ国なくなっちゃう。中国!」

「にほ……Japan!」

「あ、英語で避けた! タイ!」

「あぶね~。ネパール!」

「もうそろそろナイジェリア!?」

「いや、まだまだアルジェリア!」

「え~、本当無理。リトアニア!」

「いや、行ける。ルーマニア!」

「本当にもう、モーリタニア!」

「おめぇけっこう強え~、エチオピア!」

「ぎぎぎ、ギニア!」

「あ~、アルバニア!」

「ああ~、アルメニア!」

「い、イタリア!」

「ええ~、エリトリア!」

「負けないぜ、マケドニア!」

「超ギリギリ、ギリシャ!」

「地理むずい! チリ!」

「まだかすかに、マダガスカル!」

「まだちっちゃいのがあるはず、ミクロネシア!」

「え~、もうあかん! カンボジア!」

「あ~! 沙羅魅アウト~!」

「あ~、バカチンだ~」

「ハンガリー精神が足りなかったな」

「慰めなんか、イラン!」

「ブータンれるなよ」

「悔しい~。オーマンにはわからんだ!」

「おめぇどこのお国だよ!」

「にほ……ジャパン!」



ルールと概念はすでにあるのではなく作る物だ!

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