第4話


「久しぶり。2人とも元気だった?」

「げんげん元気だよ。何食べよっか。沙羅魅お腹ぺこぺこだよ」

「コイツ夜いっぱい食べるって言って朝昼食べないでおやつにカントリーマームしか喰ってないんすよ」

「それはよくないよ沙羅魅ちゃん。ちゃんと野菜取らなきゃ」

「だって、ソイジョイ切らしてたんだもん!」

「とりあえずなんか頼んじまおうぜ」



「2人は杉並に住んでるんだよね。出身は?」

「オレもコイツも生まれも育ちも葛飾柴又の杉並っす!」

「え、どっち?」

「だから杉並っすよ」

「そう沙羅魅達は幼稚園からの幼なじみなの!」

「そうなんだ。通りで仲いい訳だ。で、葛飾柴又はどんな繋がり?」

「それはもちろん枕詞っす!」

「え、古典とかで出てきたあれ?」

「もちろん」

「すっご~い公ちゃん。理系なのに古典もわかっちゃうの?」

「ただの理系と一緒にするなよ」

「でも沙羅魅だって枕詞知ってるよ。壁は耳、商事は目でしょ!」

「え、もしかして壁に耳あり障子に目あり?」

「それそれ。波路琉ちゃんもなかなかやるね」

「へぇ、枕詞って意外といろいろあるんだね」

「あとね『ちはやぶる』も枕詞なんだよ」

「なんだよ沙羅魅。古典得意だったのか?」

「これはね、この前お姉ちゃんと話したから覚えてたの。『ちはやぶる』の後は髪、しゃ、蛆が続くんだよ」

「へぇ、沙羅魅ちゃんちゃんと覚えていて偉いね。私なんか『しろたへの』とか『あかねさす』ぐらいしか覚えてないよ」

「やべ、着いて行けねぇ。オレ後は『けっこう毛だらけ』しかわからねぇ」

「そんなのあるんだね。公くんも勉強してるじゃん」

「でも、寅さん見て自然に覚えただけだから、大したことないっすよ」

「やだ、公ちゃん謙虚~」

「たまにはな」

「でさ、もしかして沙羅魅ちゃん映画観に行ったの?」

「え、なんでわかったの? エスパーバジル?」

「話の流れからわかるよ。お姉ちゃんと行ったの?」

「え、なんでお姉ちゃんがいるのも知ってるの?」

「さっき言ってたじゃん。私漫画は読んでたけど映画観てないんだ。面白かった?」

「うん。すずちゃんがかっこよかったよ」

「おいおい、オレをおいいてくなよ。何の映画だよ?」

「ちはやふるだよ」

「あぁ、オレが興味ないって言ったあれか。そんな題名だったか」


…………


そして、頼んでいた料理がテーブルに運ばれて来た。

次回、楽しいお食事が始まる!

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