トッピング カップル
広友孝美
第1話
「ね~、公太郎。ピザって10回言ってみて?」
「え、なんで?」
「いいから言ってみてよ」
「めんどくせえよ。沙羅魅」
「一生のお願いだから~。公ちゃん~」
「一生のお願いじゃぁしょうがねぇな。わかったよ。ピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
「ありがとう。それでは問題だすよ!」
「え、問題!? そんなの聞いてないぞ!」
「さて、あなたは今何回ピザと言ったでしょうか?」
「え~! マジ? おめぇアホかよ!」
「マジだし!」
「くそ~、オレ数えてなかったよ~」
「やれやれ、公ちゃんに足りないのはそういうとこだぞ~」
「黙ってろよ、今考えてんだから。こうなったら勘で当てるしかねぇか。じゃあ9回!」
「ぶぶー、おしい! 正解は10回でした~。最初にピザって10回言ってって言ったのに覚えてないなんてもったいない~。では、約束通り今度の日曜日は山に海水浴に連れて行ってね♡」
「ふふふ」
「やだ変な笑い方して。沙羅魅とお出かけそんなに嬉しいの~? 沙羅魅うれしい~♪」
「違えよ。おまえは詰めが塩かけたスイカぐらいあめぇな。もう一回読み直してみな。オレは本当に9回しかピザって言ってないんだぜ」
「なんだって! 公ちゃん、たばかったのね!」
「ふふふ、それはちょっと違うがな。オレは数字を二桁まで数えるのが面倒だから繰り上がる9回で止めておいたのさ。そして、山で海水浴っておまえ本当にアホだな。山は山川浴って言うんだぜ。辞書を引け辞書を!」
「そうなんだ。やっぱり公ちゃんは理系だから頭いいね~」
「それほどでもねぇよ~!」
「照れてる所もかわいい~w」
「じゃあこの勝負オレの勝ちってことで、日曜は海でキクラゲ狩りだな!」
「うん。キクラゲいっぱいいるといいね。コラーゲン取り放題だね!」
............
私がカフェで聞いた内容は以上です。
こんなカップル本当にいるんですね。
なんて奴らだ。サラミとハムタロウ。
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