17_庭師のこだわり

彼女はこの庭を、命を削って作り上げたと豪語するほどに愛していた。


彼女の血と汗と涙を与えられた木や花は、日光を浴びることで黄金に輝き、月光を浴びることで白銀に煌めいた。


彼女はこの庭を、誰にも見せることはなかった。


見られたら最後、この美しさが評価されてしまうからだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る