神婚 第1話 序の幕〜第1幕 残月抄

  序の幕


 風日は世紀を揺らし、人は時空の狭間で炊累する。


 生命の唄が世紀を促し、まほろばは陽炎の如く儚い。

 之は人の世のことわりなり。

 人の欲望ゆめは止むこと無く、

 喪われし魂を探す旅に想い馳せる。


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 桜霞の春は嫋やかな風の甘い吐息を運ぶ。

 そして彼は柔らかな翠の薄木漏れ日の中で桜の薫を伝えながらゆっくりと成長し、やがて過ぎ去ってゆく。


 風薫る夏はしっとりと大地潤す梅雨に始まる。

 やがて夏盛れば蝉たちの合唱と、青々たる草木の満ち満ちた活気の賑やかな様を伝える。


 錦の秋は命燃やす虫のこえで始まる。

 やがて鮮やかに紅葉した木の葉が、しめやかに鮮やかに舞落ちる様を山野に魅せる。


 霜夜の冬は縁端のわきにくれないの光が灯るようにやさしく咲く山茶花。

 過ぎ去った過去を見つめ、秘めやかに涙川。そうして暮れゆく日々にいつしか除夜の鐘の余韻。


 こうして一年は終わり、また繰り返す。


---------そして人の歴史と運命もまた・・・。


 星霜は凡常として、瞬く間に過ぎ去ってゆく。

 我がこの山門に帰依し世俗と袂を分けてから、早いこと十数年が過ぎた。そして今、修行のために暫しこの御山を離れる。

 旅立つ前に我は筆を執る。

 御山を離れる事が、現世うつしよのたった一人の兄との或る約束を破ることを覚悟しながら。




残月抄


 いにしえより我が生まれし地には、男子の元服の儀式の一つとして、成人の女性と一夜を過ごす風習があったといわれていた。つまり、初めて年上の異性と共寝し、女性というものの肉体を知ることによって、初めて身も心も一人前の男子となると考えられていたというのである。

 ただし、この儀式は中世に向かうにつれ、あまり行われなくなっていったという。


 我は二十数年前、或る武家の庶子として産まれた。

 この我が屋敷には代々伝わる“開かずの間”というものが存在している。此処は地下の隠しむろとなっており、一族の当主以外近づく者もなかった。

 そこには一体何のために何があるのか、当主を除いては、一族の誰もはっきりとしたことは知らない。ただ、風説として、我が一族の氏神が祭ってあるとは密かに囁かれていた。


 我が家にはこの開かずの間にまつわる様々な掟があった。

 その一つに、一族の総領である者は十五になりし時、必ず、元服の儀式として三晩みばんをこの室に籠もり過ごさねばならない、というものがある。この三晩に何をし、そして何があるのか、そのことについて過去の当主たちは一切の口外を許さなかった。したがって、母や庶子である我は勿論のこと、祖父と父、兄たち以外の親族の者は全て、それらの儀式の詳しい内容について知る者はいなかった。


 我には智実ともざねという名の兄が在った。

 兄は、まっすぐな白木のような凛とした美しい容貌を持つ物静かな物腰の男であった。同時に、意志の強さを秘めた隙のない気迫、一族の総領として相応しいだけの風格を十分に備えた方だった。


 その兄が十五になられた時、我はまだ九になったばかりで悪戯心、好奇心ともにまだまだ旺盛な頃であった。

 兄は総領であられたので十五の祝賀を受けたのちには、みそぎをし、あの開かずの間で三夜を過ごすことになっていた。

 そこには一体何があるのか、そして歴代の総領たちは・・・兄はそこで一体何をなされるのだろうか?




 兄の元服の日が近づいて来る。


 我はあの“開かずの間”のことが気になり、知りたくて見てみたくて、日毎に好奇心に歯止めがきかなくなっていった。そして幼いながらに思案を巡らせて、兄の元服の日のどさくさに紛れてそこへ潜り込むことにしたのだった。


 兄の元服の儀式の夜、我は三日分の食料を所持し、こっそり自室から抜け出して兄のあとをつけながら開かずの間へと向かった。まだ小さな我の身体は大人たちの視界に入りにくかった。おまけに、兄以外の者たちは、まだ宴の真っ最中のようで、見張りのような者はとくには居らず、思ったよりも容易にその室へ続く階段の奥深くへと潜り込む事ができた。

 室の戸は三寸ほど隙間が開いており、我はその戸を物音たてぬようにそっと両の手で身体が入るほどに押し広げた。そして身を縮めると、身体をそこへ納めて戸を閉めた。

 内外の音に細心の注意を払いながら、素早く箪笥の陰に隠れた。あまりにも簡単に上手くいきすぎた嬉しさに心内を踊らせつつ、兄に気どられぬよう息を殺して慎重に室の中を窺う。


 室の中には、やわらかな麝香じゃこうの香が焚きしめられ、それが却って一層に張り詰めた空気を引き立て漂わせていた。

 薄暗い室の中央で、神火を右手に持ち、神衣を纏っている兄の影を確かめた。

物影から、何時になったら何らかの儀式を始めるのだろうかと期待に胸を弾ませながら待ち侘び、必死に息を凝らしながら兄の様子を逐一観察していた。


 幾時かが過ぎた。しかし、未だ兄はあれから微動だにもせず、まるで何かに祈りを捧げているかのようにその場でただ蹲っているだけだった。

 それから暫くして外のほうから父上らしい人の足音が近づき、やがてそれは戸の前に止まった。

父上に自身の事がバレて、我を連れ戻しに来たのではないかと思い、足音に気づくと息を呑みこんだ。そして高鳴る胸を抱えながら、じっと耳をそばだてて外界の様子を探っていた。

 すぐに戸に錠をかける金属音がして、足音は遠ざかっていった。

 我はほっと一息つくと固唾を呑みながら、静かにうずくまっている兄のほうを再び見つめ直した。




 それほど暑くはない、どころか寒いくらいであるはずなのにじっとりと熱い脂汗がこめかみ、頬を伝い顎の先から滴り落ちていった。


 父の足音が去って一刻ほどした時、兄は漸く面を上げた。

 いつの間にか辺りには凜森りんしんとした異様なほどの冷たい霊気が漂い始めているのを感じ、全身の毛穴が縮まり、総毛立つ気がした。


 我は周囲の微妙でいて妖しげな変化に気づき、室の中を窺うように視線を宙に泳がせた。視線はそのまま、自分の頭上に掲げられている銅鏡に止まった。


 無意識のうちに手を伸ばしてその銅鏡を取ると、衣の裾でそっと面を磨き始めた。磨きながら再び兄へ眼を向けた。

 兄は神火を掲げ、微か前方に見ゆる祭壇へとそっと一足一足歩み始める。

 祭壇の前までくるとその神火を祭壇の両脇にある二つの灯籠に、右側そして左側と順に焔を灯していった。煌々と二つの灯籠は金色こんじきに薄闇の中へ浮かび上がった。

 張り詰めた厳しい空気は依然、緩む事なく、我は息苦しさの中で身動きひとつせず、じっと儀式を見守っているままだった。

 兄はまるで何ものかに操られてでもいるような恍惚とした表情で祭壇を踏み締めるように昇り始めた。最上段には、まばゆい輝きを放つ金屏風の前に座り十二単を着し婉然とした年増女の白い影が見える。


 しかし美しい女だった。

 確かに女は美しいことは美しい。そして我を今までに感じたこともない程の熱い痺れるような想いで縛り付けていた。が、それがまた震えがくるほどの恐ろしげな風でもあり、何か異界の化け物のように我が眼には、映っていた。


 女は兄が近づくと艶やかな笑みを浮かべ、しなやかな両の腕かいなを開き懐の中へ、夢現とぼんやりしている様子の兄の身体からだを優しく導いた。そして柔らかく抱き締め、唇にそっと接吻した。

 我は今まで見たこともない不思議な光景に脳裏をぼぅっとさせて暫くは鏡を見入っていたが、ふと、手にしていた銅鏡で兄たちのほうを映し、そっとのぞき込んだ。

「!!」

 脳裏を、大岩で叩き割られるような衝撃が走った。


 次の一刹那、愚僧は驚きと恐怖で思わず眼を大きく見開いて大声を上げそうになった。

 というのは先程まで艶やかな女と思っていた筈のものが、突如、我が眼には別のものに映ったのであった。


 美しかった女のその姿は、鏡の中では一転して三つ目の白い大蛇に変わっていた。それは歓喜に満ち満ちた様子で細く朱い舌をチロチロさせながら、滑らかな胴体でそっと抱き締めるかのように細い兄の身体の周りをぐるぐると蜷を巻き、取り巻いている。その大蛇が鱗をこすり合わせているような何とも云えない妙な音が脳中を巡る。

 我は身を堅くして、がたがた震えながら、青くなり強ばった顔をしたまま鏡を伏せて、兄たちの方を茫然と見つめた。我の眼前で兄と化け物が世にも悍ましい様子で交わっていた。

 否、真実は何故か我が眼には形容し難いほどのたおやかでなまめかしい、到底、現世のものとは思えぬ様さまとして映っていたのだった。

 何という恍惚。

 熱く激しい大きな波が、我の体にどっと押し寄せて来た。落雷が我の脳裏を引き裂き、全身を激しい痺れと鋭い閃光が駆け巡ていった。

 これは・・・。

 我は、人たる者が、神以外のものが見てはならぬような、そのような禁じられたものを目の当たりにしてしまったように感じ、強烈な畏怖の念にかられ、知らぬ間に足が戸の方へ向かい、ここから逃げ去ろうとして錠がかかっているのも忘れ、慌てて戸を開けようとした。

 その時、錠が激しく引き合って、ガシャッという鈍く堅い金属音が辺りに響いた。

「たれじゃ!!」

 大蛇はギョロッとした妖しく光る眼まなこを我のほうに向けて叫んだ。

 我は威圧されて身を凍りつかせ、立ち竦んだ。身を硬直させて、思わず鏡を床に落とし、恐気立って青ざめた表情で大蛇のほうを顧みた。

 足元で鏡が割れたような、堅く鈍い音がした。

 大蛇は鋭く光る三つの眼で此方を厳しく凝視していた。そして我の姿を見つけると抑制した声で重く一喝するように云った。

「よくも・・・吾を辱めましたね。」

 一方、兄は青ざめた顔で暫し黙したまま、茫然としていたが此方を見るなり、

実亮さねふさ・・・。」

 喉元から呻くように我が名を呟いた。大蛇は鱗をこすり合わせる音をたてながら鎌首をもたげて、美しく低音でやわらかなしかし恐ろしい聲で云った。

「すぐに此処から立ち去りなさい。」

 息が詰まるほどの恐怖に撫で上げられた。あまりの恐れのために脳中は真っ白になり、大蛇に云われるが侭、錠のかかっていた戸に手を伸ばした。なぜかその時、戸の錠は外れており、容易に開いた。




 我はその室から一目散に逃げ去った。地上へ繋がる石の階段を急いで駆け上がり、やっとのことで最上段までたどり着くと肩で荒く息をつきながら立ち止まった。そして自分の前に立ちはだかる黒い大きな人影に気づき、はたと顔を上げた。

 其処に待ち構えていたのは刀を携えた父の姿だった。

「実亮。お前、あの室で何をしていた?」

「父上・・・」

 父は暗く黙したまま白刃を鞘から抜き払った。

「もし、万が一、総領以外の者があの室に入り、氏神や儀式などを垣間見るようなことがあれば、禁忌に触れ神を汚し辱めた咎めとして必ずその者を殺めなくてはならぬという掟がある。たとえ、その者が本家の者であろうとも。」

 父の顔を、上目使いで恐々と見上げた。しかし、父の目を直視する事が出来なかった。

 父の冷酷に光る眼に射られて、えも云われぬ恐怖を感じ、びくっとして堅く眼を閉じた。白刃が虚空で遠く鋭くきらめいた時、

「父上、お待ちください。」

 針の先のように鋭く一声、兄の声だった。

「父上、実亮をお斬りになるのならば、それは私めにやらせて下さい。この愚弟めに大事な儀式を台なしにされた上、辱めを受け、私はどうにも腹の虫が治まらぬのです。それに氏神さまも大変お怒りで『お前の手で直ぐに実亮が首を此処へ持って来よ』と、仰せにおなりでございまする。」

 父は「うむ」と頷いて我の身柄を兄へ預けた。


 父が去ってゆくと兄は我を振り返り、ニッと零れるような笑みを見せ、いつになく穏やかな優しい声で

此方こちらへおいでなさい。」

 我を兄の自室へと誘いざなった。そのような兄の様子に、兄が何を考えているのかが全く捕らえられず、幼い我は一層の不安をつのらせていた。

 室に着くと兄は我をその場に座らせて云った。

「我が一族の総領である者は十五になりし時、必ず元服の儀式としてあの地下室に祭られてある一族の氏神と神婚をいたさねばならないのだ。総領はあの儀式により、彼の代においての一族の富と繁栄を氏神によって約束され、そしてその者自身、神と契りを交わしたことにより、心身ともにより神に近づいた存在となり、また完全な成人となるのだ。そしてもし、神婚を行うことを拒否すれば神の逆鱗の下により、一族は断絶させられると云われている。」

「神婚とは?」

 兄は頷き、

「あれは一族の神による神聖な儀式なのだ。従って当事者以外の者があの儀式を覗き見ることは絶対に許されないこととされ、禁忌を破った者は死をもって神に贖わなければならぬのだ。」

 兄は小刀を引き抜くと鋼のような声で云った。

「実亮、覚悟はできているか?」

 我は身を凍らせて、俯いたまま面を上げられずにいた。

 兄上は素早く我の髪の毛を無造作に掴むと、持っていた小刀を振り下ろした。

 我は白刃を見て恐怖に戦き、「あッ」と小さな悲鳴を上げた。

 迸る真っ赤な鮮血を脳裏に描きつつ、我は堅く瞳めを閉じた。


 次の瞬間、我の跪いているところの左脇に一房の黒髪がバサッと落ちる。

「実亮はたった今、此処で兄に斬られ命を断たれたのだ。」

 我はハッとして眼めを見開き、兄の顔を見上げた。

「今すぐ此処から逃げよ。ただし、あの室で見たことを一切、世間で口外してはならぬ。そして、この家には二度と戻って来てもならぬ。もしこれらのことを破ったその時は私わたくしは容赦なくお前を斬り捨てる。」

 穏やかに云った。

「兄上・・・。」

「父上がもし、お前の行く先を私に問われるようなことがあれば、私わたくしはお前の身体は氏神さまがお召しになられたと云っておく。」

 厳しく、そして慈愛に満ちた兄の顔だった。

「ゆきなさい。」

「兄上はよいのですか?このままで。だって氏神さまはおっしゃったのでしょう?私を殺し、首を持って来よ、と。」

「いや、本当は父上に云ったことは真実ではないのだ。神は確かに大変お怒りにはなられてはいたが殺せとまではーーー。」

 兄はそれ以上何も答えなかった。我は深く深く兄上に礼をのべ、着の身着のままで屋敷を抜け出した。

 家人に悟られることなく、うまく籬の外に出られた。




 ふと、静かな風が伝うそらを仰いだ。

 やさしく明滅する無数の光の粒が迂生の身体を包み込んでゆく。

 彼方から蒼い月人の、闇に滲むような白い月影が朗々と地表を照らし出していた。

 幾多の孤独が我の胸を押し潰した。


---------これからどうしたらよい?まだ幼いこの身で独り、どうすれば生き抜いてゆけばよいというのか。

 蹌踉めきながら夜を彷徨う我を拾ってくださったのは仗杪と云う名の中年の真言宗僧侶だった。

 それから我は髪を下ろし、仗杪和尚について高野山に籠もったのである。




 あれから十余年、我も二十を越した。

 毎日を俗世から一切断たれたこの地で・・・否、賑やかな俗世の縮図である曼陀羅という世界に囲まれ、過ごしている。最近は朝餉ののちすぐに道場へ籠もっている。


 道場の中へ入ると、南側にはア字が、東には胎蔵界曼陀羅、西には金剛界曼陀羅がそれぞれ掲げられ、中央には中心に多宝塔を安置した大壇が置かれている。

 我は大壇をはさんで 字の真向かいに座る。

 そっと眼を閉じ、そして自問自答を始めるのである。


 こうして今も時々思い、考えている。あの開かずの間で見たあの儀式のことを。まだ若く幼い総領たちの運命、白い三つ目の大蛇を神として崇め奉り、そしてそれと交わる。


 彼らはあの蛇神と対面したとき、どんなにか恐ろしかったことだろう。

 いや、もしかしたら神の神力によって夢幻の快楽の中だったのかもしれない。

 しかし。今、こうして冷静にゆるりと考えれば考えるほど、呪われた一族の総領たちの運命を哀れまずにはいられぬ。


 もし総領が蛇神と交わることを拒否し、儀式を行わなければ、氏神との契約を破ったことになるのだから当然、彼の代においては神の御加護は得られない、更には神の祟りによって一族断絶への路が待っているのである。総領たちは化け物と交わらなくてはならぬ自分たちの運命をどんなにか呪ったことではないだろうか。


 あのような化け物と契りを交わしたことが公になれば当然、一族からは勿論、世間からも忌み蔑みの眼で見られるのは必定である。彼らが厳しい掟をつくり、あんなにも神婚のことをひた隠しにしてきたのはそれを恐れていたからなのではないだろうか。


 しかし、兄は禁忌を破った弟を斬ることができなかった。あまつさえ斬り捨てるどころか外へと逃がしてしまったのである。

 それらのことを承知の上で。


 もし、兄が禁忌を破った我を逃がしたことが父たちに知られるようなことがあれば、掟を破ったのであるのだから当然、兄の生命いのちの保証もない筈なのである。


 だが、十余年経った今でも、一族の者たちに我の居所が知られていないということは恐らく我が蛇神に食されたという兄の偽りが未だ信じられているのか、或いは・・・。


 兄があのような行動をとると判っていて、あのとき父はわざと身柄を兄に預けた。つまり、父も我を逃がす算段だったのではなかろうか。

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