冴えない対談の始めかた

伏見沙織

第0話 冴えないのんびりやさんのMCと~く~

 某日、某所。

 少しあわただしくなったスタジオ。

 普段は会うことのない3組のペアが集まった…


「ねーね、えりりこれってなんか変なノリだよね」


「そんなことないわよ、ある意味中の人という大きな大役を任せているんですもの、一目は顔を見ておかないと」


「そうね、澤村さんの意見に同調するのは少し嫌なのだけれど、澤村さんの意見も一理あるわ。それに、澤村さんの中の人が同じように『貧相』かどうかも私としては譲れないのだけれど」


「はぁぁぁぁぁぁ?そういうあんたの中の人もあんたみたいに『腹黒』なのかどうか気になるわね!」


「知的だと言ってくれるかしら?それより加藤さんはどうなの。

 自分の中の人はこんな人であるべきっていうのはあるのかしら?」


「私ですかぁ…う~ん、あんまり目立たないくらいの人がいいかなぁ~」


「なんだか恵らしいっていうか…ヒロインの自覚がないっていうか…?」


「あら?澤村さんからそんな言葉が出るなんて以外ね」


「なによ?私だってメインヒロインになりたいけど…あぁぁもう!その辺はまたこれから考えるからいいの!ね!恵!」


「え、なにが?ごめん、考え事しててよく聞いてなかったよ」


「めぐみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」


「なんだかんだ言って加藤さんのほうが私より黒いんじゃないかしら?」


「へへ、そんなほめられる様なことじゃないですよ」


「「褒めてない」」


◇◆◇◆◇◆


「うぉぉぉぉほんとに会えちゃうんですねこれから!」


「そうらしいね~楽しみ~」


「正直ちょっと怖いんだけど…詩葉にダメ出しされないかな?」


「大丈夫ですよ!茅野さんは完璧です!それより私なんてほとんどえりりの声忘れちゃってるし…」


「大丈夫だよ大西ちゃん、私も恵と頑張って対談するからさ」


「そうそう、大西ちゃんコーナー頑張ってるんだから大丈夫だよ」


「そのことは言わないでください!…でも二人に励まされて私、やる気出てきましたよ!」


「その元気が空回りするのが大西ちゃんだからね」


「安野さんってなんだかんだ言って恵っぽいですよね」


「え?どういうこと?」


「うんうんわかる、なんだかんだね」


「え~なんで~どういうとこか教えてよぉ~」


「それじゃあ本番入りまーす」


3、2、1…


           「「「「「「冴えない対談の始め方~」」」」」」

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