第5話

次の日から普通にその実験とやらは始まった

名簿順でいくと、私は三島だから最後から3番目


トップバッターは愛

結構プライドが高くて、頭も良かった

朱里をいじることで、ストレス発散してるような感じもあった


先生に言われ、愛は前に行き

くじを引く


一枚の紙を先生に渡すと

その紙を開き「えー今日は、給食のおかずやご飯を混ぜる。です」


先生はそう言うと、今日の給食が何なのかを確認する


「えーっと、ご飯と味噌汁とポテトサラダとコロッケなので、全て味噌汁の中に入れましょうか」とさらっと言った


愛は泣きそうな顔にる

あまりに普通の顔をして淡々と話す先生は、感情がまったく無いのではないかと思ってしまった


あっという間に給食の時間になり、

愛と席が近かった私ともう1人の女子は

愛の給食を混ぜる係に任命された


コロッケを箸で切って味噌汁にポトンと落とす

もう1人の子がポテトサラダを入れた

コロッケを入れることに精一杯で固まっていると

もう1人の子がご飯も入れてくれた


朱里にやっていた時のことを思い出す


「これとこれ混ぜたら美味しいかもよ!」


「これも入れてみようよ!」


みんなで笑いながらまるで実験のようにいろんな物を混ぜていた


朱里はいつも残すことなく食べるから

そこまで不味くないと思っていたけど


震える手で味噌汁を飲む愛を見て

私達は朱里にしていた事の酷さを知った



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