第2話


隣の学習室のドアをノックして

ドアを開けた


真剣な顔をした警察の方と先生がいる


ポツンと置いてある椅子に座ると

三島みしま 美月みつきさんだね」

と言われ「はい」と答える


「君は、吉川さんと仲が良かったそうだね。なにか心当たりはあるかい?最近様子が変だったとか、何かに悩んでいたとか」


いろんな言葉を飲み込んで

「いいえ」と言うと、それだけで話は終わり教室に戻っていいと言われた


教室に戻ると

みんなからの視線が一気に集まって、次の子に声をかける


全員終わって、今日はもう帰っていいと言われ

みんな帰る準備をする


男子はさっさと帰って行き

女子は自然とみんなが集まる


「もしかしてさ、うちらのせいじゃないよね?」


みんなが思っていた事を1人の子が言った


「違うでしょ、別にガチでいじめてたとかそんなんじゃ無いじゃん。ちょっといじってたくらいだし、そんなんで自殺しようなんて思わないよ」


「朱里いつも笑ってたから、何が嫌とか分かんなかったしね」


みんなが思ってる事を言う

結局、私達が悪かった

という話にはならなくて

なんで手首切ったんだろうね

という疑問だけを残してみんな帰った


家に帰るとお母さんにすぐその話を持ち出されて嫌になって部屋に逃げる


LINEのグループはずっと騒がしくて

特に、他のクラスの人からのメッセージがたくさん来る


「朱里ちゃんなんで手首切ったの?」


「朱里意識不明って本当?」


「吉川大丈夫?」


「警察来てたけどどーしたの?」


嫌なほど朱里の事ばかりで

スマホの電源を切って

布団に潜った




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る