魔法少女ディジェネレーション
ゴッドさん
第1章 退廃した日常
プロローグ 紫の流星
それは紫の流星だった。
イラク東部。
地上から高度数千メートル。
紫の光を放ちながら飛行する何かと、アメリカ軍の爆撃機・戦闘機が交戦していた。
戦闘機は機銃を発射して紫の発光物体へ攻撃を行うが、その弾は掠ることなくかわされる。追尾ミサイルも追いつくことなく地上へ落ちていった。
戦闘開始からたった数分で戦闘機部隊の半数以上が失われ、多くの犠牲者を出していた。
体をバラバラにされたパイロットが地面へと落ちていき、大量の血飛沫が空を舞う。
爆撃機は次々と炎を上げ、空中で四散した。積んでいた爆薬に引火し、オレンジ色の炎と黒煙が青空を覆い隠す。
そこにいた戦闘員は何が起きているのか理解できていない。
突如、後方から音速を遥かに超える速度で現れた何かが自分たちを攻撃している。
分かったのはそれだけだ。
* * *
やがて戦闘機部隊のほとんどが消え、軍の残存勢力はたった1機となる。
パイロットの視界に映るのは、自分より遥か上空に浮かぶ紫光。
それが移動した軌道には光の筋が残り、空に幻想的な光景を作り出していた。
「――紫の流星」
彼はそう呟いた。
その光は戦闘機のコックピットへ一気に接近し、防弾ガラスを突き破る。
パイロットの胸元に大きな穴が空き、絶命した。
彼もまた最期まで何が起きていたのか理解できていなかっただろう。
* * *
最後の1機が沈み、そこに残ったのは紫の光だけとなった。
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