第16話 想定外が何より怖い

 アスペルガーの方はこんな感じで機転を利かせたり応用することが非常に苦手としています。その集大成的な事が「想定外に対処できない」という点です。


 私自身、会話なんかでも「相手は大体こんな内容で返してくれるだろう」というのを想定してから会話に臨むのですがそれが外れるともう頭がフリーズして真っ白になってしまい、どうしていいのか分からなくなってしまいます。

 そのため1歩踏み込んだ会話はなかなかできずにいつも他愛のない話ばかりしてしまいます。


 他愛のない話が嫌い。と前に言いましたが出来る事と嫌いな事はいつも違うというわけではありません。

 あなたたち仕事は出来ますけど仕事が好きとは限りませんよね? それと同じです。

 発達障害者は好きな事しかしない、出来ないと言われていますが嫌いな事でも出来なくはないと思います。(もちろん個人差もあってひとくくりにはできませんが)


 似たような話で料理中にピーラーで指を1mm程の傷をつけてしまったらもう世界が終わったかのようなショックを受けてしまって寝込んでしまう、なんて人もいるらしいです。

 これも「ピーラーで指を傷つける」という想定外の事態に対処できないからです。



 何でこんなことが起こるのかというと想像力の柔軟性の欠如、あるいはアンバランスと呼べる物が原因だと思われます。

 想像できないものは誰だって怖いものですが(日本語じゃない言葉を話す外国人とかそうですよね)

 それを何百倍、何千倍と極端にしたものだと思います。


 ここまで酷くなると机に置いてある物の位置をほんの少し変えただけで怒り狂う困った上司の出来上がりです。

 自閉症にも似たような症状があるのでそれと同じだと思っていただければご理解しやすいと思われます。



 アスペルガーを患っている方はプログラムのようなものだと思ってください。プログラマーが指示したようにしか動けず、

 プログラムが間違っていると「先に進めない!」って文句言ったり、あるいは間違っているルートを迂回もせずにそのまま直進してしまう奴なんです。


 ですので以前チラッと出てきた曲がり角を一つ間違えるだけでパニックを起こす子がいつも通ってる道路が工事中になって通行止めになるともう大変です。

 迂回する事も出来ず、かといって直進することもできず、道が完全に閉ざされてしまったように感じてどこへ行くことも出来なくなります。



 幸か不幸かやった事はないのですがプレゼン後の質問事項に関しては地獄を見るでしょうね。ほぼ間違いなく想定外の質問がガンガン飛んでくるでしょうから。

 どんな質問でも即座にアドリブかましてパパッと答えられるのって本当にすごいと思っています。どうすればそんな神業が成せるのかが本当に分かりません。

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