第17話 たった99点しか取れなかった
アスペルガーは色んな意味で100か0の極端な思考を好みます。
100か0と言いましたが健常者からすれば「10000か0か」位の恐ろしく極端な思考回路になっているでしょう。
実際私もこれを書いている最中はコンテストに応募することを前提にしていますが大賞受賞あるいは誰にも見られることなく終わる。のどちらかで、そこそこ人気が出てそこそこ読まれてそこそこレビューがつく。というのはあまり想像しにくいものがあります。
何か他人には到底出来ないようなでっかいことをやり遂げない限り何もやっていないのと同じ。そんな考えが頭にこびりついています。
例えて言うなら「オリンピックで金メダルを取るくらいの偉業を成し遂げないと○をつけることが出来ない」といった感じでしょうか。
こんな感じである意味非常に「デジタルな」思考を持っているのがアスペルガーの特徴だと思います。
ただしハードルは「病的」に、そう「病的」に高く「テストでは100点とってやっと合格。99点は失格」と言えるくらいに高く設定されています。
これは非常に大きな問題、そう非常に大きな問題でして80点や70点といった一般的に見れば十分合格ラインを超える成績を残しても「100点じゃなければ0点だ」と思って×をつけてしまうため、成功体験に乏しくなってしまうことが多いです。
タイトル通り「たった99点しか取れなかった」と嘆くのです。
実際私も完璧主義が度を過ぎておりまして自分に○を付けるよりも×をつけることが圧倒的に、そう圧倒的に多いです。
周りの人間は全部の事を完璧にやり遂げているのに自分一人だけ間違いを犯し続けている。と思っています。
本当は周りの人も失敗ばかりなんだとは理性で思ってはいるのですが本能とか魂とかそういった部分がそれを否定して「お前だけミスだらけじゃないか!」と責め立てています。
他人に対しては成功している部分にばかりフォーカスが当たり、自分に対しては失敗している部分にばかりフォーカスを当てているようなものです。
そんな考え方をしていたのでは誰だって精神を病むに決まってます。
頭では分かっているのですが、心や魂がやれと命じていていくら頑張ったところで辞めることが出来ない。というのが当事者の実情です。
それが原因で二次障害といういわゆる二次災害に相当する事態が起こってしまうのですが、それはまた追い追いお話ししようと思います。
ちなみに、この完璧主義は基準が明確な仕事をやるのには向いていると思います。例えば工場で規格に入っているかいないかを仕分ける仕事なんかは何の苦労も無くこなせると思います。
他にも流れ作業なんかも難なくこなせるでしょう。ただし「誰でも出来る仕事」なので賃金は安くなりがちですが。
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