【4話】 うきうき! 自機カスタマイズ!
レベルアップだと!?
カーナビをよく見ると、右上のメニュー画面に、
【Lv23】
と表示されている。
23?
いつの間に?
「ひょっとして、あのオーク達を轢いた時点で、すこしレベルが上がってたのか?」
その時はまだカーナビを付けてなかったから、わからなかったのか。
で、今、ワイバーンを倒したからまたレベルが上がったと。
「どうしたの? らしょうもん」
「なんか、モンスターを倒したから、レベルアップしたらしい」
「れべるあっぷ……? ……いいね!」
親指立てるルーリィに、俺もにっこり。
どれどれ。
俺はさっそく、カーナビのメニューの中から、スキルUPと
表示されたメニューを選ぶ。
それによると、
どうやら俺には今、26のスキルポイントが溜まっていて、
それを好きに、スキルへと割り振っていいらしい。
23レベルなのにポイントが26なのは、たぶんあれだ。
レベル1の時に、初期値で4ポイントくらい入ってたんだろう。
スキルはそれぞれ
『武装』
『足回り』
『インテリア』
の三系統に別れている。
俺は早速、武装を選択。
【排気口ファイヤー】
【電飾サンダー】
【ウィンドウォッシャーカッター Lv5】(搭乗者の魔力によって取得しました)
【ワイパーブレード】
【ライトフラッシュ】
【ウィンカービーム】
【クラクションバズーカ】
【タイヤミサイル】
【スリップオイル】
【ラムドリル】
【フロントバリア】
【生体ソナー】
【マニュピレイト・アーム】
・
・
・
などなどなど、ずらずらと並んでいる!
「おおお……、なんかイカス! ん?【ウィンドウォッシャーカッター】は取得済みになってるが……。
って、ルーリィの魔力!?
まさか、あのルーリィの涙が、俺に、力を……?
うぉおおおお……ルゥゥゥゥリィィィィイイッッ!!
ありがとう、俺はおまえを、命に変えても守る!!
「よし……」
俺は、ニコニコしながら不思議そうにカーナビ画面を見ているルーリィを見て、
改めてこの幼女の幸せを願った。
そして、それは俺が叶えて見せる!
そのためにも、まずは!
「ドリル……ッ! ドリルがあれば、なんでもできる!」
俺はさっそく、ドリルスキルを連打した。
決して、男のロマンとか、趣味ではない。
「ひッ!?」
【ラムドリル Lv10】
待て待て待て! これ、スキルレベル制なの!?
いきなりドリルに10レベル注ぎ混んじゃったんだが!!
ずぎゃあああ!!
「うおおお!! フロントから、えらくカッチョイい多重ブレードドリルがぁあ!
タイヤの横からも、ぎざぎざの剣みたいのが生えてきたし、
めっちゃかっこいいよおおおおお!!!」
悔い無し!
大丈夫、
まだスキルポイント16ポイントもあるしな。
次は『足回り』だ!
【大ジャンプ】
【ロケットダイブ】
【高級タイヤ】
【爆速化】
【振動軽減】
【小型化】
【大型化】
【重量減少】
【重量増大】
【地下潜行モード】
【水上モード】
【飛行モード】
・
・
・
などなどなど!
「まずは、ルーリィの健やかな睡眠のために【振動軽減】と、
パンク怖いから【タイヤ高級化】、【重量減少】、あと【小型化】あたりかなぁ……。
迷うなぁあああッ!! まあ、とりあえず1ずつ振っておくか」
ぽちぽちぽち
……お?
なんか、身体が軽くなった気がする!?
それと……むぅぅん……?
「おおっ!」
俺の身体が、1回りくらい縮んだ!
小型バスくらいにはなったか?
縮尺わからん!
ん? でもドリルもちっちゃくなった。
ドリルには大きさ制限があるのかな?
なにかのレベルが上がってないと、これが取れないみたいなスキル制限もあるのかな。
俺は身体の大きさを標準に戻し、ドリルもしまっておいた。
残り、12ポイントかぁ……
これ、俺、ちょっと無駄遣いしてるかなぁ。
みんなはこれ、普通はどれにポイント振ってるんだろうか。
気になる。
最後に『インテリア』。
【高級座席】
【高級シートベルト】
【シフトレバー水中花】
【空気清浄機】
【仮眠室グレードアップ】
【電飾グレードアップ】
【荷台強化】
【ドリンクバー】
【冷温蔵庫】
【救急箱】
・
・
・
などなどなど!
「これもルーリィのために、【高級座席】、【高級シートベルト】
【仮眠室グレードアップ】と【ドリンクバー】だな」
どれにも2ポイントずつ振った。
すると、ビニールを貼っただけのようだった座席が、ずっと座ってても疲れない感じのレーシングタイプに。
シートベルトも、なんか身体全体を固定するやつに。
ん? でもこれ、イザってときはこれでいいけど、いつもはルーリィがごろごろできないな。
と、思ったら、これ、レベル上限までだったら、グレードダウンは自由みたいだな。
一つレベルを下げると、座席はふかふか柔らかい感じのになった。
このふかふかは移動中、ルーリィがくつろぐようで、
なにかあったら、さっきのレーシングタイプのやつにしよう。
あと、
仮眠室の中が、お姫様が寝るようなふりふりのベッドになっていた。
ルーリィ喜ぶかな。
その横には、サイゼリ○にあるようなドリンクバーコーナーが出現している。
うわあ! コカ・○ーラもあるぞ!
俺はさっそく、寝てしまっているルーリィのために、
コカ・コー○を紙コップに入れてやった。
レベルアップ作業は男のロマン。
幼女にはまだ、早かったようだな。
いつのまにかすっかり熟睡している。寝る子は育つ。
かわいい寝顔だ。
この寝顔、守りたい。
暇にさせちゃったお詫びのためにも、
我が故郷のモスト・フェイマス・ドリンクをご馳走してやろう。
俺は彼女を優しく起こすと、
「ルーリィ、これを飲んでごらん」
「ぶべぇえああああっ!」
炭酸はまだ早かったようだ。
■ ■ ■
転生トラック 羅生門
現在の所持スキル
●武装
【ウィンドウォッシャーカッター Lv5】
【ラムドリル Lv10】
●足回り
【振動軽減 Lv1】
【タイヤ高級化 Lv1】
【重量減少 Lv1】
【小型化 Lv1】
●インテリア
【高級座席 Lv2】
【高級シートベルト Lv2】
【仮眠室グレードアップ Lv2】
【ドリンクバー Lv2】
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