学園代表編

登場!最強転校生

それは突然の知らせだった。


「今年度からの転校生の神月かみづき 大和やまとくんですー!みんな拍手!!」


高校2年生の最初の始業式の日、突然この学校いいや、この国最強とまで言われる天才がやってきた。





その知らせを聞いたのは1年生の終わりがけだった。


「ねぇ知ってる??来年度からめちゃくちゃ強い転校生くんがやってくるらしいよ?」

「えーマジで!?」


などという女の子たちの会話を聞いた。

まずこの七草ななくさ魔導学園は日本でも数少ない魔法を扱う学校で、いちおう日本の中でも一番の学校といわれる。

そもそも魔法という概念が登場し始めたは日本の歴史上からいうと幕末ぐらいかららしいが、西洋などからすると、手にするのに遅すぎた。などと

言われるほど登場が遅く、他の地域と比べても圧倒的に弱いのだ。

そんなことはさておき、この七草魔導学園は中高一貫なのでなかなか編入生。もとい転校生はそうそういないのでいろんな意味で目立つのだ。

しかも今回の転校生は100年に一人の逸材などと今ではよく使われそうな天才という表現を用いられた天才転校生だそうだ。

しかし僕からしたら勘弁してほしい話である。

僕は中等部の頃から、階級制という戦闘で結構勝ち進んできた。

そもそも階級制とは1月に一度の学年,性別,身分も関係なくただ1対1で魔法などを使った決闘デュエル形式の戦闘たたかいで入学前にある程度、魔力,身体能力等々から19もの階級に分けられ上はSSSから下はFまでもの階級に生徒は割り振られる。また階級によって寮や授業内容はたまた授業料の軽減のあるので弱いものには厳しい弱肉強食の環境である。

しかしなぜ階級制というシステムが用いられているのかというと、日本代表を決めるために日本の学校同士で戦う学校の選抜を決めるためといったところである。最近はなかなか良い所まで来たので8人のうちの残り1枠に入れそうである。僕は安定した生活,日本代表になることでの上への推薦をもらうべく日々頑張ってきたのだ。

最初は最下位から3つ上のE1、多くの生徒がここから始まる。

最強転校生がなんだ!!僕は転校生なんかに負けず学校代表に選ばれてやる!!


そう思っていた時期もありました。




「えーっと。月神くんは日本初、世界でも5人目の初期検査でのSSSランクの生徒です!!」

先生は明るく楽しそうに話していた。そりゃそうだ、日本最高レベルの逸材がこの学校にやってきたんだから。

それよりなんだよ。SSSランクってチートじゃんか。勝てるわけないよ。

僕は深くため息をついた。これは今年も代表無理かな......。

来年なら代表になれるかも・・・・

いつの間にか先生の話は進んでいた。


「まあ、月神くんは魔法に関して初心者なのでー。そうだちょうど隣の席が空いてるしこのクラスで一番魔法が上手な那波ななみくんに基本の指導とか学校案内とかまかせちゃおっかなー?」


僕は突然名前を呼ばれてびっくりした。というか転校生の指導たまったもんじゃないよ、なんで代表の座を取られるかもしれない相手に指導しなくてはいけないのか.....


転校生はこちらに向かって歩いてきた。そして僕の前で立ち止まり話しかけてきた。


「よろしくね那波くん!俺、月神大和!大和って呼んでくれ!あと指導お願いします!」


「う、うん。よろしく。」

彼のペースに乗せられ思わず承諾してしまった。もうこの時点で僕は彼を無意識に上の存在と見てしまっていたのだ。

それどころか人間としても負けている気がする。


僕、那波純ななみじゅん最強転校生の隣の席になりました。

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