19話 生まれたての魔王なのに一回戦を勝ち抜いてもよいだろうか
《# そ、そんなの、どうするんですか!? 擬似的とは言っても、現にまるっきり、
アランドラさんがやってるのは【未来視(ほぼ同義)】です!》
「……じゃあ、次はこういうのは、どうかな」
俺は、発動中の【
同じく【
複合デミスキル【
「準備、完了……」
俺の目の前で展開される
アランドラは一切反応してこない。
やはり魔族には、魔力の源である
「【
動き始める俺のおもちゃ工場。
俺の予想通り、まずは【
《爆焔玉(フレイム・ストライク)》と《氷葬(アイス・グレイブ)》が融合し、
《爆焔葬(フレイム・グレイブ)》と《氷撃玉(アイス・ストライク)》が産まれ、
《飛翔斬(フライト・スラッシュ)》と《鉄鎧攻(アース・フォーム)》が融合し、
《翔鎧攻(フライト・フォーム)》と《鉄翔斬(アース・スラッシュ)》が産まれ、
そんな感じで、【
元々の属性魔法4種類、合計16種類に増えた魔術が、
ザザワザザワッ!!
さらにスタジアム中に【
アランドラを襲った。
「ウォォオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
美青年魔族の振る舞いが早すぎて残像が産まれ、半透明の千手観音みたいになってる!
「なるほど! 融合魔法も、基本となった属性に対する反属性をぶつければリジェクトできるのか!
さすがアランドラ!」
アランドラの【未来視】メガネ、もとい、【スキル
やけくそのように白く輝く!
きっとアランドラは、脳トレ系のゲームも強いに違いない。
それは、赤っていう字を青い色で書いてある場合、その色を言わなきゃいけないゲームを
初見でハードモード全クリする勢い!
「く……ッ、すげえぜ、アランドラ……!! だが、これで……ッ」
俺はさらに引っ掛けパターンを紛れ込ませ、アランドラに挑む!
俺も伊達に伝説のクソゲー『電気グ◯ーヴ地獄』を極めてないんでなぁあッ!!
そらそらそらそらそらそらそらァッ!!
「アキャァアアアアアアアアアアアアアアアアアゥォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
これでも対応してくるかぁぁッ!
「だはぁっ……っ!」
俺も16種類の【増産】と【融合増産】に疲れを覚えはじめ、呼吸を整えるために、
アランドラの【未来視】スキル試験を一旦停止する。
「はぁ……はぁ……はぁ……、つ、つよい……!」
胸の奥底でジンジンと、俺の魔素と魔力を司る『だいまほうつかいステッキ』の魂を感じる……!!
だがこれで、アランドラの【未来視】の能力はよくわかった!
問題は、どうやって攻略するかなんだが――
ドサ……ッ
「んっ??」
もうもうたる煙が晴れた向こう。
「ア……アランドラ……?」
見れば、髪の毛を真っ白にした美青年魔王が、スタジアムの地面に倒れ伏し、
「ア……ア……ヒ……ア……ア……カゼ……」
「お、おいっ! だいじょうぶかアランドラ!」
俺は慌ててアランドラを助け起こす。
やばい! 脈が薄いし、唇がカサカサで目のまわりに青黒いクマが!!
「ヒ、ミズ、カゼ、ツチ、ツチ、ツチ、ミズ、ヒィ……」
「すまん! やりすぎた! 衛生兵! 衛生兵!!」
そして、それでも美青年……ッ!
『な……なんという魔術の嵐! 「産まれ立て」どころでない!
狂っている! 狂ったような魔術の乱舞ディェーエス!』
言ってる場合か!
『これは大番狂わせディェエースッ!』
……ん?
『アランドラ・トアロ、魔力枯渇による失神ダウン!! よってぇ!!』
俺は、大歓声のスタジアムに気がつく。
『Cブロック二回戦勝者! フォースタス・フィストォォッ!!』
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勇者到着まで あと 67時間11分54秒
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