第39話 誰でも最初はいっぱいいっぱい

 2週間健診で、医者に環境が悪いって言われたのは、軽くジャブもらっただけだったよ。

 も~~~、赤子寝ない寝ない!

 抱っこして母乳やらなきゃいけない!

 糞寒いのにミルク作らなきゃいけない!


 睡眠不足だけど、赤子は泣いてしょうがない。

 あっという間に鬱っぽくなったよ……。


 と、言う感じで、最初は皆さん、いっぱいいっぱいになると思います。

 勿論私もいっぱいいっぱいになりました。

 赤子が憎たらしい~って、なりましたね、正直。

 げっぷさせるのに、必要以上にせなかトントンしたり。

 あやすのに揺さぶるのが強めになったり。


 最初は添い乳もしてなかったので、余計寝れない~ってなりました。

 2人目の時は、最初から添い乳だったんですけどね。抱っこじゃないとってのは、なんの主義主張なのか。

 実家で家事全部やってもらっても、夜の世話がほぼ一人ってのが、ことさらきつかったですね。

 どーしようもない時は、母起こして世話頼みましたけど。

 父がね~、鳴き声を可哀想で聞いていられないから、母に夜あずけるなって言ってね。親の抱っこじゃないと、母乳じゃないと可哀想だとかなんとか。ちょっと、いやかなりカチーンと来ましたね、んなこと言って、あんたが起こされたくないからなんじゃないんかい!こっちは可愛そうじゃないんかい!ガキちょっと泣いたくらいで死なねえよ!それよりこっちの疲労でイライラして余計なストレスぶつける様になる方が、危険でかわいそうじゃないんかい!と。

 昔多かったですね、共働きだと、保育園にあずけられた子可哀想とか。チャイルドシートが、親に抱っこされなくて括りつけられて可哀想とか、そういう古い姑の発想。

 親ばっかり子供の世話するってさ、介護は嫁がして当たり前、デイやホームなんて可哀想にって発想と何がちがうんかい!必要な時は支援を求めるのが、介護や育児の基本だろうが!


 そんで実家の方がストレスが有ったわけです。

 で、ストレスのせいか何なのか、乳詰まりが起こったんです。後で判明したんですが、しこりは詰まりじゃなくて、炎症だったんですが。


 で、里帰り終了。

 旦那は仕事が有るので、やっぱり夜あんまり頼れない。寝れない。母乳マッサージも哺乳瓶でミルク作るのもおっくう。このころはもう、手間のかかる無駄吠えの多い野良犬をうっかり拾っちゃった。生き物を拾っちゃったからには、飼育するのが義務だし仕方がないと、いやいや世話してる気分になりましたね。寝てる時は可愛かったですよ。寝てる時は泣きませんし。こっちもやっと寝れますし。

 里帰り後、町の職員の新生児訪問が有りまして、正直に


「ストレスたまって、あんまり子供がかわいくない」


 と言ったら、なんか週1くらい電話が掛かってくるようになりました。

 ま~、当たり障りのないことをいろいろしゃべったような気がします。気に掛けてもらってる感はありましたかね。

 育児ストレスが無くなっていくのは、もう面倒くさくなって、哺乳瓶併用やめて、母乳出まくるんだからって授乳前マッサージも止めちゃって、添い乳も解禁。旦那に悪いからって夜起こさなかったのをやめて、半分は責任あるんだからたまには手伝ってって、夜泣き3日に1回は起こしてあやしてもらう様にしてからでしょうかね。


 やっぱね、理想と現実は違いますわ。病院や周囲からこうしろああしろ言われたり、自分の思いこみや仕事の背負い込みをね、も~むり、や~めたって、リセットして、色々適当にしたり、人に頼ったりしないと潰れちゃうって事ですね。



 今となっては、病院の育児理想論や、良いお母さんかくあるべきというイメージに振り回されてたなって感じ。

 小児科の先生も、理想論押しつけの病院が有りますよね。色んな人のそういう理想論に負けちゃ駄目!

 あ~、そういう考えも有りますねって、笑って受け流して適当に3割くらいズルしたり無視したり、理想は理想として脇に置いとくのが一番ですね。目標にしちゃ、ストレス、フルスロットル!

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