第19話 家事とかわいいお婆ちゃん

 退院して、お家に着くと、本当の意味での育児スタート。

 とはいえ、お母さんはまだ体が辛いです。

 ここで、お父さんやご家族にどれだけ家事育児をしてもらえるかが、産後生活のキモになります。


 上の子の時は里帰り出産だったので、実母がほぼすべてやってくれましたが、下の子の時は里帰りしなかったので、夫と義母に色々頼りました……つか、家事も育児もほぼやってもらったつうのが正しいです。いやー、夫とお義母さんには足向けて寝られません。


 そこで頭に浮かんだのですが、幼稚園や習い事で一緒になるお母さん達。話してたまにいるのが、旦那に任せられないから、家事育児ほぼ自分でやっているっていう人。

 子供のオムツも、ウンチきちんと拭き切れていなかったら嫌だし、自分で替える。家事も洗い残りが嫌だから食器は自分で洗うし、洗濯も掃除も……、って自分が疲れませんか?夫に食器洗いしてもらっても、後から洗い直すって人もいますけど、それ、嫌なお姑さんになるフラグですわ~。

 配役変えてみてください。

 夫を自分に、自分をお姑さんに。


 自分が洗った食器を、後からお姑さんが洗ってる。自分が掃除した部屋を、もう一度お姑さんが掃除する。


 どうです、嫌でしょ?

 こんな嫌なことされちゃあ、誰のやる気だって無くなりますよ~。

 夫に限らず、子供にお手伝いをさせる時も、この法則が当てはまります。

 小学生くらいになっても、何もさせないお母さんとか、家事ができない子供って、いますよね。

 で、お手伝いしてくれる他の子を見て、うちの子は何もしないと言ったり。

 そうじゃない、子供がグチャグチャにするのも我慢して、少しくらい駄目でも飲み込む。

 とにかくやったことを褒めたり感謝したりして、少しずつ、けど次はこうしたらもっと良いよ、と促していく。どうしてもマズイところだけは、後でフォロー(例えば、食器の洗い方で洗剤が付いたままとかは、子供が見てないときに洗うとか、むしろ口に入れても大丈夫な洗剤を買うとか)。

 それをやらないと、いつまでも出来ないんですよねぇ。

 上の子ちゃんも、お着換えをさせるときに、自分でやらせたり、洗濯ものをたたませたりしてますが、洗濯ものはヨレヨレだし、着替えは前後ろ逆の時があります、が、取りあえず褒めておきます。

 服がシワだらけだって、逆向きだって死にはしないのです。とにかく少しずつ行うことが大事なのです。

 RPGでいうと、まだ1レベルな状態なんですからね。夫の家事についてもレベル上げと思って付き合うのが良いのです。

 とはいえ、気になる事、見過ごせない事自体はありますね。

 それを後でどうフォローするかってのは大事ですね。


 私は、家事についてはほぼお任せでしたし、自分が出来ないことを人に求めないってことを念頭にしてましたので、どんどん夫にお任せしたのですが、気になったのは子供の体の洗い残しですね。


 意外と耳たぶの裏にあるシワが見逃されてて、垢がこびり付いてカサカサしてる時が多々。

 あと、首の奥も洗い残しポイント。

 まあ、男親だから遠慮して洗いずらい女性器のマンカス残り。


 この辺は、子供を洗った後引き取って着替えさせるときに、


「いつも洗ってくれてありがと。けど今日はちょっと見逃しがあったかな。次はこの辺注意してお願いね。」と、垢のある所を見せました。


 そうすれば、夫も最初に褒めているし、指図ではなくお願いなので次は注意しようという気にもなります。とはいえ、股はやっぱりカスが残ってることが多いんですが、そこはもうしょうがないかと。オムツ替えの時とかに、ウエットティッシュにベビーローションなど含ませて拭き取っていましたね。


 洗濯ものは、干す時に伸ばさなくてはシワになる、たたみ方が違う!と思っても言わない。

 多少シワになったって、死にません。


 食器は洗い残しがあっても、気にしない。

 外食店でバイトしてれば気が付きますが、飲食店なんてそこまできれいな厨房じゃないです。

 カトラリーってむき出し。結構埃にさらされてます。

 洗剤が残ってる?一応ゆすいであるんでしょ?イギリスとかヨーロッパ方面は、ゆすがないんだぞうですよ?泡だらけで終了。洗剤ってきれいにするものなんでしょ?洗剤できれいになったんだからゆすぐ意味がない、というスタンスらしいです。あと、水道代が高いからってのもあるみたい。日本人も向うに行くと、慣れてゆすがなくなるんですって。

 それで70~80歳まで生きてる人もいるんだから、ちょっとくらいすすぎ残しがあったっていいじゃないですか。

 人間って結構丈夫なんです。どうしても気になる時は自分がご飯盛る前に、自分の食器分だけ隠れてさっと洗いましょう。


 掃除は四隅に埃が残ってても、放っておく。

 アレルギーじゃないなら、死にません。生ごみだけきちんと捨てれば腐りません。


 どうしても、譲れないってこだわりは、それをしたら、病気になるの?死ぬの?そうでないなら放っておけよってことで、仕分けしましょう。

 全部自分の思い通りになんてならない!赤点は60点以下、それ以上なら合格!むしろ6割もやってくれてるなら御の字!感謝忘れず!常にありがとうを合言葉にすれば円満です!きちんと「ありがとう」を言いましょう!これ大事!!


 しかし、言うはたやすく、行うは難しってなもんでして。

 子供にの手伝いに対しては、結構駄目出ししちゃうことが多いんですよね。反省。

 駄目な部分があったっていいじゃない、ってところから初めてまずは受け入れるところから。


 それをしないと、いつまでも自分が抱え込んじゃって、辛くなるのは自分ですわ。子供も家事が苦手になって良いこと無し。

 難しいですが、頑張りましょう!



 あと、こだわり強すぎると、最終的には家族が辛くなるんですよね。

 若い方は今は想像つかんでしょうが、40歳も越えると老後を考えるわけですわ。

 家に上がり込むヘルパーが嫌だとか、デイサービスが嫌だとか、そういうお年寄りって自分の思う通りにやりたいっつう、こだわりが強いんですわ。実祖父母がそうで、主に母がとても苦労しました。

 介護状態になってるのに、他人の手を借りたくない、自分のペースを大事にしたい。そうなったら、大変なのは家族です。


 子供に面倒掛ける親にはなりたくないんで、人に任せる心を持ちたいと思っとります。

 デイサービスに素直に通う、かわいいお婆ちゃんを目指しますよ!


**********


 人付き合いは、傾聴から。


 まずは、相手の言いたいこと、立場や力量を受け入れてから。

 ビジネスでもこれが大事。

 コミュニケーションの基本だけど、家族相手・特に子供相手にはつい忘れちゃったりして頭ごなしになりがち。

 たまに立ち止まって、己を見返さないと駄目ですね~、反省。

 ビジネス書を見ながら、あ、これ子育てとか介護にも通じるわ、なんて発見もあります。人の関わりって、基本は老若男女一緒なんですね。


 産後は、絶対人の助けが必要になります。

 その時、夫がどれくらい家事能力があるのか(技量・やる気ともに)って重要です。頼みたいと思っても、全く無理となったら、大変。そういう夫さんは、早めに家事を出来るように導いていくか、お金を使って人を頼むか、とにかく早めの対策を!

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