お伽

拝見香秀

ジャンプ

カズオ「お、もう少しで新年だな」


ミチル「カウントダウン始まったぞ。どうする?新年と同時にジャンプでもしようか?」


カズオ「おー」


マサオ「いいね!定番だよな!始まるぞ。3・2・1、よいしょっ!」


カズオ「あけおめ~」


ミチル「あけおめ~。ことよろ~」


マサオ「待て待て待て」


カズオ「なに?」


マサオ「いや、おかしいでしょ」


ミチル「なにが?」


マサオ「なにが?って。ジャンプだよ!ジャ・ン・プ!」


カズオ「え?」


マサオ「え?じゃねえよ」


ミチル「買ってこいってこと?」


カズオ「少年でいいの?」


マサオ「ちげーよ」


ミチル「じゃあヤングのほう?」


マサオ「そういう意味じゃねえんだよ」


ミチル「少年じゃないんだったら、ヤングかなって思うじゃん」


カズオ「だよな」


マサオ「だから、なんのジャンプを買いにいけって話をしてんじゃないの」


カズオ「そうなの?」


マサオ「そうだよ。ちなみに、俺は少年エース派だ」


カズオ「わかる。ケロロ軍曹おもしれぇよな」


ミチル「じゃあ少年エースを買いに行けばいいの?」


マサオ「もはやジャンプ関係ないからな。違うの!」


ミチル「じゃあ、何を買いにいけばいいんだよ!」


マサオ「何怒ってんだよ!買いにいけって話じゃないでしょ」


カズオ「なんの話だっけ?」


マサオ「ジャンプの話だよ!」


ミチル「あ、ジャンプ買いにいけばいいの?」


マサオ「もういいわ!」


カズオ「じゃあ、なんのジャンプなの?」


マサオ「お前ら、新年と同時になにしようって話した?」


ミチル「なんだっけ?」


カズオ「さあ?」


マサオ「ジャンプだよ!ジャンプしよつって言ったじゃねえかよ!」


ミチル「あー、言ったね」


マサオ「なんでお前らジャンプしてねえの?」


ミチル「いや、だって…ねえ」


カズオ「ちょっと恥ずいよね」


マサオ「え?じゃあなに。俺めっちゃ恥ずい人みたいじゃん!」


ミチル「…そんなことねえよ」


マサオ「その間が物語ってんだろうがよ!」


カズオ「そんな熱くなってるけど、お前ってそんなにジャンプ好きだっけ?」


マサオ「んなわけあるか!」


ミチル「じゃあ棒高跳びの選手?」


マサオ「じゃあってなんだよ!ちげーよ!」


カズオ「さてはトランポリンの選手だ」


マサオ「もう相手にする気すら起きんわ」


カズオ「じゃあ、もう終わりってことで」


ミチル「今から初詣にでも行く?」


カズオ「いいねー」


マサオ「なんで勝手に終わらせてんの?」


カズオ「だってもう相手したくないって、そんなこと言われたらもういいやってなるじゃん」


ミチル「マサオ、お前が悪いんだぞ。カズオは傷ついてんだぞ。謝れよ」


マサオ「え…なんかすみませんでした」


ミチル「どうする?」


カズオ「まあ今回は許すよ」


マサオ「なんで俺が謝ってるんだろうな…」


ミチル「じゃあ、話を戻してどうぞ」


マサオ「え?あ、ありがと。えーと、なんだ…そうだ。俺はみんなでジャンプしたかったんだよ」


カズオ「…」


ミチル「…」


マサオ「年越しの大事な瞬間。確かに年越しジャンプなんてちょっと恥ずかしいかもしれない。でも、せっかく仲良し3人が集まったんだからさ。ちょとくらい恥ずかしくてもいいじゃない。数年後、いや、数十年後、またこうやって3人で集まって昔あんな恥ずかしいことしたなって語り合いたいじゃない」


カズオ「そっか」


ミチル「じゃあさ、今からジャンプしない?」


マサオ「いいよいいよ。今さら感満載じゃん」


カズオ「いいじゃねえかよ。一緒に恥ずかしい思い出作ろうぜ」


マサオ「そっか…そうだな。じゃあ3・2・1、はいっ!…いや、だから、なんでジャンプしないの?」


ミチル「いや、だって…ねえ」


カズオ「ちょっと恥ずいよね」


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