自分勝手

時には百獣の王で。

時には井の中の蛙で。

時には野原の兎で。

時には未確認飛行物体。


君はいつも謎だった。

君は未知であった。

君は臆病だった。

でも君は勇敢に振舞った。


僕と仲良くなった。

僕に恋をさせた。

僕を突っ放した。

僕を泣かせた。


そしてまた泣かせた。

僕が大切だと言った。

僕は耳を疑った。

君は真っ正面を向いていた。


君は自分勝手だ。

いつも君に振り回される。

君は身軽だ。

僕がその重みを受け取った。


散々傷つけられて

包帯を巻いていた僕に

やっと消毒薬を塗ってくれて

僕は複雑だ。


それでも癒えていた体を

支え始めてくれて

遅いよと言いたいけれど

消毒薬でいいと思える。

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