日常

苦楽

私はその魔法を解けない

痛い、痛い、痛い

思っても、口は動かない

苦しい、苦しい

叫びたいのに、何故か動かない

そんな練習などしていない

口を無理矢理には動かせない

親から、習っていない


彼らは痛みつけ続ける

何のために、しているの?

何のために、なるのだろう?

自己満足、それだけ

魔法が掛ったように、何も言えない

まるで、魔法に掛ったように

私はその魔法を解けない


お母さんに言ったら、どうなるの?

怖い、怖い、怖い

魔法を解けない悪い子

きっと、そう怒られる

そうよね、お母さん?

口を無理矢理動かせない

きっと、私を叱るの


私は悪い子じゃないから

魔法も自分で解けるから

それまでの辛抱、痛い

我慢すればいい

苦しい、苦しい

この魔法が解けなかったら

きっと、死んでしまうだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る