第6話/ロシアンルーレット
社畜くん「仕事やめたいです」
仕事ちゃん「君はなんてことを言うのですか!」
社畜くん「お前のなぐさめなんて聞きたくないやい! どうしたら仕事を辞められるのか完結に教えろくださいお願いします」
仕事ちゃん「仕方ないわねー」
ゴトッ
――それは実に重々しい音だった。テーブルの上に置かれた金属の塊の重さは約1.6Kg。
名称はルガー・スーパーレッドホーク。部類はリボルバー・ダブルアクション。
簡単な説明をすれば、リボルバー(回転弾倉)の大型のもの。
社畜くん「こ、これで死ねというのか?」
仕事ちゃん「違いまーす。これでロシアンルーレットをしてもらいます。6発中1発撃てる」
社畜くん「つまり……一発に当たらなければ仕事をやめられるってことだな!」
仕事ちゃん「いいえ、一発に当たれば仕事を辞める権利をあげましょう。当たらなければ仕事に戻ってもらいます」
社畜くん「結局死ぬしかないじゃないか……」
社畜くん「だけど僕はもう、働きたくなんかないんだ! うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
――社畜は銃を取り、額に銃口を向け、引き金を引いた。
――カチン
――空撃ち、弾丸は発射されなかった。
社畜くん「はあっ……はぁっ……くそっ……」
仕事ちゃん「残念でした。さ、約束通り仕事に戻ってちょうだい」
社畜「も、もう一発だ!」
仕事ちゃん「取り合えず山積みになった仕事を終わらしてからね」
社畜くん「畜生、ちくしょう!! ……明日も挑戦するからな」
仕事ちゃん「ええ、どうぞ」
――社畜くんは仕事部屋に戻て行った。
仕事ちゃん「ふふ、何度でも挑戦してちょうだい。何回やったって君はこの仕事を辞められないんですから……」
――仕事ちゃんはリボルバーの弾倉を押し出す。
――弾倉の中に一発として弾丸は入っていなかった。
――社畜は明日も空撃ちの銃で自分を撃ち殺す幻想を見る。
――fin――
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