第5話/(定型文)……オレが美し過ぎて

仕事ちゃん「ねえ社畜くん、どんな鬱発言も「……オレが美し過ぎて」ってつけるとナルシストになるらしいわ! やってみて!」


社畜くん「仕事のことを考えると辛い……オレが美し過ぎて」


仕事ちゃん「ナルシストだこれー! あと私のこと考えてるのねっ! 好き!」


社畜くん「仕事のことを考えると胸が張り裂けそうだけどね」


仕事ちゃん「好き過ぎて辛いのね……仕事も社畜くんと一緒にいないと辛いわ」


社畜くん「なんか違うのに何が違うのか言えない。不思議……オレが美し過ぎて」


仕事ちゃん「なんか思ったより鬱々していないし、ナルシストでもないわね」


社畜くん「じゃあ仕事ちゃんが鬱発言からナルシストしてみてよ」


仕事ちゃん「わかった」


仕事ちゃん「朝家を出たら野良猫が轢かれてぐちゃぐちゃになってたわ……私が美し過ぎて」


社畜くん「それまったく自分の美しさ関係ないよねっ!!!??????」


仕事ちゃん「今日もまた人が死ぬのね……私が美し過ぎて」


社畜くん「すげぇ! 今の発言は魔性の美女にしかできない発言だ! ていうか呪殺系魔女だ!」


仕事ちゃん「彼氏のケツ毛がモジャい……私が美し過ぎて」


社畜くん「さらっと僕の個人情報を漏らさないで!」


仕事ちゃん「だってあんなにケツ毛があるとは思わなかったんだもん」


社畜くん「僕が風呂に入ってる時でも仕事の押し付けなければ、そんなことを知らずに済んだんだよ!」


仕事ちゃん「空気を吸って吐く、それだけで仕事は積み重なるの。わかる?」


社畜くん「もう世界滅びろ……オレが美し過ぎて」


仕事ちゃん「うわぁ……ナルシストだ」


 ――fin――

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