第15話 幼女怖い、幼女怖い……あれ?

カラカラカラ……


どんどん近付いてくる変態集団。

そして、


「止まりなさい!」

バチィン!

「ふごぉ!」

幼女が鞭を打ってマッチョを止める。


「ごきげんよう。」

「ご、ごきげんよう。」

幼女がにこやかに挨拶してきた。


「あの~……何か御用でしょうか?」

「あら、いやですわ。分かってるくせに。」

ですよね~

もしかしたら、ただの通りすがりの変態じゃないかと思ったんだけどな~

と思っていると、


ピシャ!

「ふごぉっ!」

「へ?」


幼女は三人のマッチョを鞭で打ち始めた。

「はぁはぁ、もっと!もっとよ!豚は豚らしく悲鳴を上げなさい!!」

「ごふっ!」「ぶぐっ!」「ぶぎっ!」

「アハハハハハ!いいわぁ!!」


恍惚の表情で鞭を振るう幼女。

マッチョも多分、喜んでんだろうなぁ……


……よし、逃げよう。

「お待ちなさい!」

チッ!


「いえ、あの、お楽しみのようでしたので俺はこれで失礼をば。」

「ダ・メ♪」

幼女が息を整える。

今の内に葵には学校に逃げるよう指示しておく。


「さて、では始めましょうか。」

「ちくしょう!」


俺が叫ぶや否や、幼女が鞭を振りかぶる。

おかしい?あんなの届かないはず……!


バァン!


間一髪で避けられた!

何故かは分からないが鞭が伸びた。しかも威力はマッチョに打った時の

比じゃない!


「コンクリが抉れてやんの……」

「あら、よく私の鞭を避けられましたわね。」


幼女の鞭を避ける避ける避ける避ける避ける避ける避ける避ける……


「さっさと当たりなさいよ!」

「嫌に決まってんだろ!」

身体能力強化を手に入れといて良かった!

何とか鞭の軌道が見えるし避けられる。


「アハハハハハハハ!!」

狂った幼女怖い!!

とりあえず反撃しないと!


「食らえ!」

朝に覚えたばかりの炎を――格好付けたゴメン。何かちっちゃい火の玉を

幼女に向かって飛ばす。


「ポチ!タマ!源三郎!!」

「「「ふご!」」」

マッチョが壁になり火の玉を受け止める。というかネーミングセンス!


「くそ!」

「アハハ!私に攻撃は届かなくてよ!」

とりあえず俺は逃げ回って、しばらくすると攻撃してを繰り返す。


そして、

「ここならどうだ!」

「しつこいわね!同じ事よ!」


ポチ、タマ、源三郎がガードしようとしたが、

「「「ぶご!?」」」

首輪の長さが足りず、後ろに回りこめない。


「何ですって!?」

「よし!」

筋肉の壁は無い状態、火の玉程度だが当たればダメージはあるはず!


「しゃらくさい!」

幼女が鞭を振り回して火の玉に当てる。すると、風圧で掻き消える。

「ダメか!!」

「もう諦めなさい!」


他に方法は……!?


「こうなったらヤケクソだぁ!!!!」

めったやたらに火の玉を出しまくる。


「フン、悪あがきにも程があるわ。」

そうして、自分に当たりそうな火の玉のみを消していく幼女。

そう、当たりそうな・・・・・・ものだけだ。


「ふぅ、これで終わりかしら?」

「まだ残ってるぜ。」

「?……何か熱くなってきたわね。」


幼女が立ってる靴が煙を出す。

「まさか!?」

「そのまさかだよ!!」


能力が複数同時に出せるのは重力で確かめたからな!

わざと当ててない火の玉を操って、板を下から火の玉で炙っているんだ!

金属じゃなかったら燃えるから、どっちにしろ隙はできるしな!!


「ちょ、待ちなさい!靴が引っ付いて取れない!」

「「「ふごっ!ぶごぉ!!」」」

幼女は靴のゴムが溶けたらしく、うまく逃げられない!

ポチ、タマ、源三郎も必死に回り込もうとするが間に合わない!


俺は走って近付いて鞭を取り上げる。

「あ!?返して私の鞭!!きゃあ!!」

鞭を取り返そうとしてコケる幼女。その拍子に板から落ちる。

そして、

「……?」


スカートがめくれてる。めくれてるし、パンツが見えてるんだが……

やけに膨らんでる。

「……もしかしてお前、男か?」

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


幼女の……いや、ショタの絶叫が響き渡った。

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