第7話 皆それなりに我慢している事はある

俺の能力は重力を操る

だが今のままじゃ強くなってもたかが知れてるはず


「だったら!」


アレだけに狙いを定める

さっきはアレで照準を合わせてたからな!


俺の能力が発動すると同時にヤツの息子が急に上を向く

それに伴って水も上に放たれる


「!!!?」


アゴに大量の水が衝撃を与える

水が急に消えた、気絶したらしい


「初勝利!!」


俺は雄叫びを上げた


「くーくん…勝ち方は最低だよ…」



すると辺りが明るくなり始めた


「な、何だ!?」


上から見覚えのあるヤツが

『空・葵組が勝利したので、そちら方の特殊能力を消去しに来ました~』


「テメェかぁ!!!!!」



「さぁてどうしてくれよう?」


あの後、家の台所に急いでフライパンを取りに戻った

特殊能力を消しに来た女神が役目を終えたのを確認して頭をぶん殴り

気絶させて部屋に連れ込んだ。


「ここまでする必要なかったんじゃない?」

「でも、こいつのせいで俺たちは不利な状態で戦わなきゃいけないんだぞ?」

「確かにそうなんだけど…でも」

「ねぇあんた達」


聞きなれない声が聞こえた

振り返るとさっきの男のパートナーだった幼女だ

勝手に部屋に入ってくるとか何なの?


「なんで倒すのよ!」


そんな理不尽な事を言われても


「もしかして恋人?」

「おぞましい事言わないで頂戴!」


凄い剣幕でまくし立てる。


「あんた達が勝ったせいで私の体が元に戻るチャンスが減ったじゃない!」

「あぁそういうこと

でも、俺達が勝ったらこの【身体幼児退行病】も止める気だし…

むしろ君のパートナーはアレだよね?」


変態を思い出す。


「君達が勝った方が戻れなかったんじゃない?」

「何言ってんの!願いが叶えられなくなるじゃない!!

あんなおぞましい目にあったのを耐えて耐えて耐え抜いたのに…」


おぞましい?


「もう生きていけない」


まさか…あの男!?


「私はあの男に…」

「待って!それいじょ「3食昼寝付きの生活をさせられて

朝は愛の言葉を囁かれながら頭をなでられ、昼は美しさを称えるポエムを

聞かされながら習い事をさせられ、夜は私と会えた事が人生最大の幸せと

語られながら添い寝されたのよ!!!!」…え?」


この子の言ってる事があまり良く理解できない。


「えっと?グータラ生活させられたってキレてるの?」

「そこ以外よ」


???


「でもその口調だと君、姿どおりの子供じゃないんでしょ?女性にとって

好きだって言われるのは悪い気はしないんじゃない?添い寝はともかく…なぁ葵」

「う~ん…まぁ」


きっとそうだと信じたい

だって俺も葵にやってたから


「じゃあアナタ、あの変態があの姿のままでそれをやってきても受け入れられるの?」

「ごめんなさい」


葵が即答した

というかアイツ、家でもその格好なの?


「あ~うん、苦労したんだね…」

「それなのに!あんた達が倒したおかげで我慢するだけ我慢して

いい事は何一つなくなったのよ!どうにかしなさい!」


俺達のせいではないよな

というかむしろ


『痛い~頭がガンガンする~』


こいつらのせいだよな?


さて、女神さんとやら

お仕置きの時間だ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る