第38話 -二人のアーシュライト-

 どことなく雰囲気が似ていた。

 僕と同じぐらいの年齢。黒を基調としたドレスに包まれて佇んでいる。人を見下した表情をしているのに、やはりどこか似ていたのだ。


「……貴女誰なの……」


 隣でリィナが信じられないような表情で女を見ていた。

 女は言った。自分の名がエリザ=アーシュライトであることを。そして、宝煌神剣第三階位≪狂風≫の使い手であることを――

 アーシュライト……間違いない。リィナと同じ苗字、いや家名だ。だが、先ほどリィナが言ったばかりだった。アーシュライト家は魔物の襲撃により滅んでしまったと。


「あらぁ?薄汚い豚には人間の言葉が理解できないのかしらぁ?」


「……ッ。そんなこと言ってるんじゃない!なんで……なんでわたしと同じ――」


「――!?」


 その刹那、見えない風が刃となり僕とリィナの間を通り抜けた。リィナの頬に一筋の傷が出来る。

 同時に背後の壁に掲げられた風景画が斜めに断ち切られ音を立てて地面へと落下してしまっていた。

 今何が起きた?目の前の女――エリザに動いた形跡はなかった。だが、明らかに敵意の籠った威嚇だったのだ。


「巫山戯るのも冗談だけに……いえ冗談でも済まされないわねぇ。誰に許可をもらってアーシュライトを名乗っているのかしらぁ?父様を堕落させた雌豚の忌み子の癖に。調子乗ってると今すぐに殺すわよ?」


 ゾワッ――……


 巫山戯た口調とは裏腹にその瞳はリィナを今すぐにでも殺しそうな殺意を宿している眼だった。


「≪宵闇≫――頼む!!」


 遺跡での戦闘以来呼ぶのを控えていた僕の力を呼び出す。

 右手に現れた漆黒の刃を掲げ刃先をエリザへと向ける。

 少しでも動く素振りを見せたら躊躇なんかしない。コイツは危険だ。


「ここ最近感じた殺気……お前の仕業だな?」


「あはぁ。やっぱり気づいていたのねぇ?でもぉ……気づくのが遅いわよぉ?」


「……何?」


 エリザは何を言っている?そこで僕はエリザの周囲の風が微かに渦巻いていることに気付いた。

 高貴さを隠そうとしないエリザのドレスが風に揺られ始めていた。

 だが、そのことに気付いた時には時既に遅く、


「今更神剣を呼び出したって、最初から顕現してるアタシには遅すぎるっていってるのよぉ?ねぇ、そう思わないからしら」


 エリザの言葉と同時に、風による暴虐が始まった。

 見えない刃が轟音と共にエリザを中心に吹き荒れたのだ!


「ッ!?見境なしだと――!?」


「風の暴虐をアナタ達に防げるかしらぁ?あはぁ」


 一瞬で吹き荒れた風の刃が僕達のいた場所を宿屋ごと破壊し始める。破壊された家屋や家具の破片が飛び交い、風と共に僕達に襲い掛かってきた!

 元の世界で竜巻の動画で見たことがあるが、飛ばされた家畜がミキサーの中に入ったかのようにその全身をズタズタに引き裂かれてしまう姿を見た当時僕は自然の脅威というものを自分の身で味わうなんて思っていなかった。

 だが、今起きているこの状況は竜巻のそれと同じだった。襲い掛かる破片を刀で弾き飛ばしながら風の脅威に恐怖を感じる。

 魔物を相手にする時とは全く違う。風というものは実体のない存在だ。迫り来る風の刃は斬り裂いても意味はなく、徐々に僕の身に傷を負わせていく。


「ッ……。リィナ!!」


「……!!――来て≪風翠≫!!お願い、わたし達を守って!!!」


 竜巻の中心にいるような風の猛威が襲ってくる中、隣で暫く唖然としていたリィナが僕の声で我に返り遅れて神剣を呼び出す。

 両手で持ったエメラルド色の槍がその姿を現し、同時に荒れ狂う風とは別の風圧がリィナから放たれた。

 しかし――


「……え……。わたしの風が――!?」


「あらぁ?今何かしたかしらぁ?ゴミみたいな風を感じたのだけれど」


 リィナが放った風が一瞬にて掻き消されてしまったのだ。

 同じ神剣同士なのにどうしてだ!!


「たかが第四階位の風が本当の風の王とも言うべき神の風に勝てるとでも思ってるのかしらぁ?思い上がりも甚だしいわよ?」


 そういえば遺跡の時も言っていた。リィナの古代魔法をアッシュの炎が掻き消したときに……


『ハ――。俺の炎を吹き飛ばす?たかが第四階位の風が第三階位の炎を消し飛ばすことが出来るとでも思ってるのか?』


 リィナが持つ≪風翠≫は宝煌神剣第四階位の神剣だ。けど、階位が一つ低いだけでここまで差がつくものなのか!?


「……何で……何で!?ッ――穿て穿て穿て!その身を――その総てを抉り取って≪風翠≫!!」


 エリザの挑発に納得がいかなかったリィナが更にその身に力を放出していく。あれは瘴気化キマイラドラゴンの咆哮を止めた一撃だ。

 身を引き絞ったリィナが≪風翠≫の槍をエリザへと全力で投げ放つ!!

 だが、エリザはその余裕の笑みを崩さないまま片手をあげ、言い放った。


「だからぁ……薄汚い豚がブーブー耳障りな鳴き声をあげないでくれるかしらぁ!!」


「なっ……それは――!?」


「……そん……な…」


 エリザの右手が翡翠色の風を纏った槍の一撃を軽々と防いでいたのだ。しかし、僕の驚きはそのことじゃなかった。

 エリザの手から禍々しい風が噴出されていたからだ。あれは間違いない……


「何で人の身から瘴気が出ているんだよ……」


「あはぁ。アナタにはこれが何なのか分かっているのねぇ?でも、もういいわぁ。そこの薄汚い豚と共に死んじゃいなさい?」


「…………ぁ」


 自身の力が全く通じなかったリィナがその身を崩して膝立ちのまま唖然としていた。

 エリザから放たれた瘴気が風に乗り周囲で荒れ狂う竜巻が黒く染まっていく。

 何かないのか……この場を脱する方法は何か!!

 この場に≪宵闇≫の重力場を出しても意味がない。闇で覆ってもだ。どうすればいい――!!

 その時、風の向こう側から知った声が聞こえた。


「な、これは何が起きてるんだよ!?」


「セツナさんとリィナさん、もしかしてそっちにいるんですか!?」


 ユーシアとアリシア!?そりゃ、ここまでの大事になっているんだ。今この時もここを中心に宿屋が破壊されている状況だ。眠っていても起きるのは当然のことだった。

 他にも宿屋の客や従業員の声が聞こえてくる。

 まずい……通常の竜巻でも脅威なのにこの瘴気を帯びた風を人の身で受けてはいけない!!


「ユーシアにアリシア!!皆を連れて離れろ!!≪風爆≫から少しでも離れるんだ!!」


「な――!?そこに≪風爆≫がいるのかよ!!」


「いいから早く!!」


「っ……でも、セツナさん達はどうするんですか!!」


「ぐっ……いいから急いで!!」


「ぅぅ……すぐ戻ってきますから、無事でいてください!!」


 僕はともかくリィナは……隣で打ち拉がれているこの少女だけは守らなければいけない。

 身体中が傷だらけとなったリィナを守りたい。けれど、どうすれば……


「あはぁ。悪あがきしても無駄よ?無残に、そして悲惨に死んじゃいなさい?アタシの王様に無残に引き裂かれた風の女王と同じでその身を引き裂かれちゃいなさいよぉ!!」


ドクン――


 その時、心臓がひときわ大きく高鳴った。

 今エリザは何と言った。アタシの王様……風の王が風の女王を引き裂いた……?エンリィは……風の王に殺されたというのか……?


「……嘘……嘘だと言ってよ≪風翠≫――!!何か答えてよエンリィ=レイラント!!!」


 目を見開いたリィナが≪風翠≫へと訴え続ける。何で答えないんだよ……何で風の女王はリィナの言葉に答えないんだ。

 答えてくれよラグザ……お前も何も言ってくれないっていうのかよ!!


『許さない……』


ドクン――!!


「え……」


 まただ。心臓が再び大きく鼓動する。そして、同時に声が響いてきた。


「アリシア?」


 いや、違う。アリシアは僕の声に従って既に近くにいた人たちをこの場から離すために動いていてくれているはずだった。

 だが、アリシアと同じ声が響いてくる。そうだ、この声はアリシアなんかじゃない。エンリィを妹のように可愛がった……


「アーリャ……なのか?」


『エンリィを……エンリィが選んだ人を……許せない――!!』


「え、なぁに?アナタには何か聞こえているのかしらぁ?」


 その刹那、僕を中心に異変が起きた。


ピキ……ピキピキピキ――


 地面が凍っていく。


 冷気の波動――


 全てを凍りつかせる波動が僕の内から放たれたのだ。


「……セツナ……?」


「何、何なのよ?アナタ何をしたっていうのかしらぁ!!」


 その光景は凄まじい物だった。風が……瘴気に塗れた竜巻が凍り始めたのだ。


『許すものか……私の妹がこんなやつに負けるはずなんかない……』


 アーリャの想いが力となり吹き荒れる。

 同時に僕の感情がアーリャに塗りつぶされていった。この感覚は……


「リィナ、立てるか?」


「……う、うん……でも……」


 申し訳なさそうに見上げてくるリィナ。その目は澱み、誰も信じることが出来ない表情をしていた。何でこんな少女が絶望を感じたような眼をしているんだ。許せない……


「何時まで防ぎこんでるんだよ」


「……ッ。でも、わたしの力は通じなかった……」


「ちょっと……なに話し込んでるのよ……アナタ何してるのよ……アタシの風に何をしたって言うのよぉ!!」


 発狂したように叫ぶエリザを無視する。エリザの放ち続ける瘴気の竜巻は現在進行形で下から氷の彫像と化していたのだった。

 襲い掛かる破片や瘴気の刃も例外はない。その全てを絶対零度の氷刻へと姿を替え、僕とリィナに当たることなく粉々に砕け散っていく。

 僕≪私≫は怒っていた。僕≪私≫が妹のように可愛がっていた人物を苛めた人物に――そして、そのことで塞ぎこんでしまった妹に!!


「リィナ、君のせいなんかじゃない。僕は……私は貴女に聞いているの。答えて――エンリィ!!」


「……え」


 その時、リィナが持つ≪風翠≫が眩く程の光を放ち始める。そして――


パキィィィィン!!―――


 僕はこの光景を知っていた。

 世界の境界が崩れる音と共に世界がセピア色へと変化する。

 その場の、荒れ狂っていた風もその風を凍らしていた波動も全てが制止してしまった世界。

 だが、前回と違っていることもあった。それは、


「……何なの?世界が止まっている……?」


「リィナ!?この世界で動けているのか!?」


 僕以外に動ける人物がいたのだ。何が起きたか理解できていないリィナが周囲を見回して目を見開いていた。


「……何が起こったっていうの!?セツナ、貴方何をしたの?貴方が風の女王を……エンリィ=レイラントへと問いただしたことから起きたことなの?」


『そうだよ。私が妹を叩き起こしたことから起きた現象……』


「……ッ!?」


 何時の間にか僕達の目の前に少女が立っていた。けど、そこに現れると思っていた僕はそこまで驚きを感じなかった。


「……アリシア?でも、なんでここに……」


「違う。アーリャ、だよな?」


『あはは。正解だよ。不甲斐ない妹とその仇を見ていたらどうしても許せなくて出てきちゃったかな』


「……セツ…ナ…?」


 見た目はどう見てもアリシアだよな。アーリャ?誰それ?みたいな目で見てくるリィナ。

 そういえば、リィナにはアーリャのことは何も言ってなかったんだった。


「ごめん、アーリャのことは後で話す。たぶんこの世界はそこまで長くない。そうだよね?」


『それも正解。今は先にやることがあるからね。だからこそお姉ちゃんは頑張るの。そこにいるんでしょ――エンリィ』


『…………』


 僕達から離れた位置で座り込んでいた人物が姿を現す。

 その姿はあの時僕達の元からいなくなったリィナの姿を彷彿とさせるものだった。

 リィナと同じ白緑色の髪をした幼い少女。夢で見た時の自信に溢れたエンリィと同じ人物だとは思えないほど弱弱しく感じる。


「……貴女がエンリィなの?」


『ごめんね』


「……ぇ」


 小さく聞こえてきた声。それは謝罪の言葉だった。


『ごめんね……アタシなんかの使い手にさせちゃって本当にごめんね』


 何が彼女をこんなに謝らせているのか。エンリィは泣きながらリィナへと謝り続けていた。


『エンリィ、貴方もしかして後悔しているの?』


『センパイ……。アタシは勝てませんでした。もう一人の風の王――ゼファードを倒してすぐに追いつくと言っておきながら。その結果がこれです。アタシの力は何も通じなかった』


 膝を抱えて後悔し続けるエンリィ。

 アーリャはエンリィの言葉を静かに聞いていた。いや、違う。なんか寒い……アーリャから湧き出る冷気が制止した世界に干渉するかの如く、その身から冷気を放ち始めていたのだ。

 怒っている。こちらから後ろ姿しか見えないが、アーリャは怒っていた。


『もう一度言うね。エンリィ、貴方後悔してるっていうの?貴女が選んだリィナという子へ後悔しかしてないっていうの?』


「……それってわたしが弱いからなの?」


 あ、リィナが少し勘違いしてるかも。アーリャの言葉はリィナを選んだことに後悔してるかのようにもとれるけど……


『違う!弱いのはアタシだよ!!アタシの力が弱いからアタシの子供を……リィナを傷つけてる。アタシはリィナに幸せになってほしかった。だけど、アタシの力が弱いばっかりにリィナはいつも傷ついてた』


『だから貴方はリィナの言葉に答えなかったの?』


『答えなかったんじゃない。答えれなかったの。アタシはここでずっと謝り続けてた。センパイ達やもう一人の風の王より劣った力。神を討てる力だなんて言われてるけど、第四階位なんかじゃ何にも倒せないんだよ!!』


 それが逆鱗に触れたのだろう。アーリャの右手が振り上げられる。

 そして――


パァン――!!


 頬を打たれる音が響き渡る。だが、アーリャの右手はまだ振り上げられたままだった。

 エンリィの打った相手はアーリャじゃなく、


「……ふざけないで」


『え……?』


「……勝手に自分のせいにしないでよ!!」


 リィナが普段上げない大声を上げてエンリィへと詰め寄っていたのだ。


「……わたしは後悔なんかしてない。傷ついてなんかいない!!貴女にどれだけ助けられたか、どれだけ救われたのか……それを貴女は勝手に後悔だなんて思わないでよ!!」


 それはリィナの想い。どれだけエンリィに――≪風翠≫に助けられたのか。それはリィナだけが知ること。リィナをずっと見続けて来たエンリィが勝手に後悔してはいけないことだった。


『あはは。言いたいこと言われちゃったなぁ。この振り上げた手どうしようかな?』


「あとでラグザを打ったらいいんじゃない?」


『それだ!』


 いや、そんないい笑顔で頷かれても……


『あはは。嘘だよ。私ラグザのこと大好きだもん。打つわけないって!っと、こほん』


 唖然と見ていたリィナとエンリィに対し、咳払いをしてごまかすアーリャ。


『エンリィ、貴女間違ってるよ?』


『センパイ?』


『私達王が選んだ子達にはね、そこまで差はないんだよ。第三階位だろうと第四階位だろうとね』


 けど、リィナの力は確かにエリザにも、そしてアッシュにも通じなかったのは僕自身の目で見たことだ。


『貴女の力が通じなかった理由……それは想いの力が足りてなかったからだよ。エンリィ。貴女は何を想ってリィナへ自身の力である神剣を託したのかな?』


『それは……アタシと同じに思えたから。リィナが……孤児だったアタシと同じ他人を信じることが出来なかったリィナをアタシは死なせたくなかった。だから、アタシはリィナを選んだの』


「……ッ」


 エンリィのそれは同類相憐れむことなのか?そんな理由でリィナは選ばれたというんだろうか。

 けど、その中で一人異論を唱える人物がいた。


『嘘だね。エンリィ、君は自分にも嘘をついてる。そんな人物に精霊は力を貸してくれなんかしない。そんな人物に神剣は力を貸してくれるはずないよ。エンリィも、そしてリィナも二人とも自分に正直になりなさい!!』


「『――――!!』」


 アーリャの怒りと共に場が更に寒くなってくる。アーリャって怒ると無意識に冷気を放出するみたいだった。となると、先ほどのエリザの風を凍らし尽くしていた波動もアーリャの怒りということか。怖いなぁ……


『アタシは……』


『正直にだよ?私の妹はそんなに弱くなんかないよね?』


『アタシはリィナに幸せになってもらいたかった!!アタシがセンパイ達と出会って幸せだったように。アタシの力で――幸せを運ぶ風の様にリィナを包み込む暖かい風になりたかった!!』


「……エンリィ」


 その時、エンリィとリィナを包み込むように翡翠色の温かい光が二人を包むように発光し始める。これは、風だ。アーリャが放っていた冷たい波動すらも温かく塗りつぶす風。


『あはは。よくできました。それでこそ私の妹だよ!』


『ッ……センパイ。ごめんなさい――!!』


『謝るのは私相手にじゃないと思うかな?』


 アーリャの視線がリィナへと移る。泣き腫らした真っ赤な目でエンリィがリィナを見上げる。


『リィナ、ごめんね。貴女の語りかけにアタシはずっと答えなかった。本当にダメな王様だね』


「……エンリィ……」


『アタシ達は一人でずっと塞ぎこんでいた。アタシが言うのもあれなんだけど、もう一度チャンスを下さい。貴女にアタシの力を全て託す。だから、二人でもう一人の風の王を倒そうよ!!』


「……ん。わたしは一人じゃない。セツナに気付かされたことだけど、わたしには貴女が必要。だからわたしからもお願い。一緒に戦って下さい」


 リィナとエンリィが一つになるように抱き合う。

 そして、それと同時に制止された世界に罅が入っていくことに気付いた。


『そろそろ時間かな』


 僕自身もアーリャに聞きたいことはいっぱいある。けれど、こっちを見てくるアーリャも、そして僕も今はその時でないと分かっていた。

 今はリィナとエンリィの優しい風を心地よく感じるだけで十分だった。


『また暫くお別れだね』


「……ううん。わたしと貴女はいつも一緒、だよ?」


『ぁ……うん!そうだよね!!アタシ達はずっと一緒だよ!!』


 もうすぐこの世界が終わる。けれど、リィナはもう大丈夫だ。


『刹那も有難うね。それと、私の妹をよろしくね?』


「アーリャ……。うん、任せてくれ。といっても、リィナは強いよ。エリザなんかに負けない」


『あはは。うん、そうだよね。≪風爆≫なんて吹き飛ばしちゃえ!!だから……またね、刹那――』


 そして、世界が元へと戻る。

 それは一瞬の出来事。だけど、リィナにとってはかけがえの時間だった――

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