あなたのフェチはどこから?
私のフェチはここから! てことでフェティシュの話をします。
SMの世界。めくるめくサディステックとマゾヒステックの変態性癖の絡み合いってのは、なんというか不可思議で興味深くて一時期ド嵌まりしました。
実際にプレイしてみるとかはさすがに危険信号がこう心の片隅でペカペカ光ってたんで手出しはしませんでしたが、創作分野のアマチュア作品はかなりガサゴソしましたよ。自分で手を出すと解体まで行きそうな危機感があるんで体験は絶対ダメと決めてましたけど。
誰でも自分のフェチがどういう方向性かくらいは見当が付くと思うのですよ。私も変態性でいうと相当なものを抱え込んでいるので、ぴったりマッチする作品はないかと探したものです。SMと言っても広いですからね。
世間で代表的に言われているような、鞭とかでしばかれてアーッみたいな、あんなんじゃないんですよ、私が求めていたフェチは。
私が魅了されたのは、血と内臓の描写だったのです。私はカニバリズムに興奮するタイプの、もっとも危険なフェティシュだったんですよ。なので、実体験などしたら一発アウトです、人生が。(笑
小魚を使う煮物料理がお気に入りでよく作るのですが、実は食べる方はあんまり好きじゃなかったりします。煮魚はあんまり好きじゃない。肉はなんでも生が一番美味しいじゃないですか。ユッケが好物なんですけどね。
で、あんまり好きじゃないけど料理するのは好きなんですよ。解体作業がね。魚の頭を落として内蔵を引き出して、まな板の隅に山にしてかためておくわけですが、その色合いがなんともいえず好きなのです。銀色の鱗が血で染まってメタリックな感じにぬらぬらと光っている、刃物が血に濡れるとちょうどそんな感じでね、それを髣髴するのがいい。目玉がやっぱり血でぬらぬらと本来と違う感じに光ってんのもいい。内臓とかに脂が浮いて、てらてらしてるのがいい、と。死にたては特にいい。
私のフェチはまぁなんかこんな感じです。勘違いされたくないんですが、死にたてがいいと言っても殺したいとか思ってはないんです。痛いシーンは嫌いです。
一番は手術シーンなんですよ、開腹手術にはロマンを感じます。もっと頭が良くて、オタク趣味にも走らなければ今頃は医者にでもなってたかも知れません、てことですね。
血と臓物が好きなくせに、怖がるの含めて苦痛全般は嫌いという、ちょっと面倒くさいフェチなので、しっくりと趣味に合うような作品はあんまりないんですよね。
猟奇殺人者を扱うもので、まず頭に一撃、殴り殺してからじっくり解体という犯人の出てくる推理物の小説は、そのシーンばかり何度も読み返したりしましたね。
SM愛好家といっても、その属性は細かく分かれるものです。私とは正反対に、血とか臓物など見たくないけど苦痛の表情は好き、という人もよく見掛けました。そういう人にしても内面的な事情を知るとまた幾つかに細分され、苦痛が好きなマゾヒストの苦痛を見るのに悦びを感じる御奉仕タイプとか、相手の意思無関係に苦痛が好きな真性サディストとか、色々とあるんです。
マゾヒストにだって、相手には無関心で自分の苦痛をひたすら追うタイプも居れば、持ちつ持たれつで相手が悦んでるから苦痛が嬉しいってタイプとか、そりゃもう色々と居るんです。
私は、なので厳密にはサディストでもマゾヒストでもありません。突き詰めればコレクト癖になるんです。物質的なものに限定なのでね。刀のあの輝きとかが堪らん、とかのタイプ。とにかく血がないと始まらないとかは思っている節があるので、吸血鬼属性というべきなのかも知れません。
考えようによっては究極に自己完結しちゃってますね。相互性皆無。血という一つのファクターだけを細々と対人性の面に繋げて、他は一切遮断したいのかも知れません。
ロリィタという属性もまったく同じくで、彼らは対人面で大人や社会への拒絶がまず隠されているのでしょう。子供というファクターだけが、他人と繋がる細い糸です。フェチというのは、かなり深部にあるモノを反映します。
これも一つのタイプに過ぎず、ロリィタと言っても男児限定だったり女児限定だったり年齢制限あったりというのも、それぞれ深部には意味があります。
素直に人と接することが出来ない、フェチという狭い窓口を設けて、恐る恐る細々としか付き合えない、それでも社会と繋がっていたいという切ない願いです。
世の中、フェチが色々とあって、自身の属性をしっかり認識していない人ほど特殊性癖を嫌悪する傾向が強いように思います。こんなものは別に誰でも持っているもので、突き詰めて考えたことがないから有りもしない普通に自身を当てはめて胡坐を掻いていられるのですよ。
ポリコレだとか反差別の使徒が時に横暴に映るのは、彼らが鈍感だからです。
というわけで、内面の海にダイブして自身のフェティシュを見つめてみませんか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます