薄情者

 私は執筆する時、テレビをつけ、音楽を流し、家族と会話しながら取り組むことが多い。

 気が散らないかと言われたりもするが、強制的に頭が働くので逆にはかどったりする。一つのことだけに集中すようとすると、途端に飽きてしまって続かなくなってしまうので、程よく発散させつつやったほうが効率がいいのだ。

 一見器用に思える行動だが、全てにおいてそういうことが出来るわけではない。


 恋愛においては、他のことが目に入らないくらい夢中になってしまう。


 私には当時、同じ高校から一緒に進学した友人がいた。彼女はアニメーターを目指していたため科は違ったが、仲は良かった。私が書いた小説に挿絵をつけてくれて、登場人物の日常などを想定して盛り上がることもしばしば。

 そんな彼女は、私と教師の恋愛を猛反対した。疑似恋愛などと意味不明の付き合いを強要し、胡散臭いことこの上なしだったのだろう。

 必死の説得にも耳を貸さずに付き合いを続けていると、いつしか彼女とは疎遠になってしまった。


 学校は違うが同じ市に進学してきた友人もいた。女子短大に進学した一人の友人に誘われて、教師と共に学園祭に行った。

 私は人目もはばからずイチャイチャしまくり、最初は友人含め大人数で歩いていたが、気づけば置いてきぼりにされていた。


 私の通う学校の生徒は、先ほどの友人を除けば教師との関係を誰一人として知らなかった。

 教師の決まりで『生徒と付き合ったらクビ』らしいので、他言することは出来ないのである。

 そもそもそんな決まりがなくとも、教師が一生徒と付き合っていては示しがつかないし、どう考えてもひいきだと思われるだろう。

 私は結局学校を中退することになるのだが、未だに生徒たちはその事実を知らずにいることだろう。

 これに関しては私も教えたかったし、今後も付き合いを続けたいと思えるくらい仲良くなっていたので、最後の最後まで苦しんだので、薄情ではないはずだ。

 でも、生徒の一人には辞める直前に告白をされたのだが、事実を伝えもせずに半端に断ってしまったので、今でも申し訳なく思っている。


 一人暮らしをしている私に、仕送りをしてくれていた両親。

 定期的に旅行がてら私の家に泊まりに来ていた二人だが、実は半年ぐらいで、既に一人暮らしではなくなっていた。

 両親が来ると知らせが来ると、急いで教師の痕跡を消し、一人暮らしを装う。もちろん教師も家はあるが、実家暮らしな上に学校からは遠かったため、半同棲生活となっていたのだ。

 私の頭の中は教師のことでいっぱいで、親がいても常にそわそわ。遂には「いつ帰るの?」「何時に帰るの?」と無神経に聞く始末。

 あまりに帰って欲しそうな空気を察したのか、両親は「この親不孝者!」と罵って帰って行った。


 両親は私の性格を理解しているので、ほどなくして怒りは収まったのだが、友人に関してはそれまでとなっている。

 もちろん友人たちが嫌いというわけではない。出来れば長く付き合いたいかった。

 けれど、何かを失うまで、私は自らがしでかした罪に気づくことはないのだ。


 B型との付き合いで困っているというそこのあなた。

 もしかしたら、その人には全く悪意はないのかもしれません。

 気をもんでいても無駄なので、本人に直接問いただすことをお勧めします。

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