第242話 吾輩の行きつく先は――自己満足かもしれない
吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。
「旦那、お目覚めですか?」
「あぁ・・・下手くそ、下手くそ!!」
「どうしたんです?」
「こんな誤字脱字が多くて・・・文章が下手で読まれようなどと・・・傲慢だ・・・吾輩は」
「・・・」
「なんか・・・違うんだよな・・・もっとこう・・・順番とかあるはずなんだよな」
「順番?」
「動作とセリフと感情と・・・場面と・・・なんか、こう!!なんかこう、あんだろう!!」
「熱いっすね・・・なんか熱いっすね!!」
「くそー、うまくなりたい!!読まれたい!!」
吾輩はなんか下手くそすぎてやる気が出てくる。
こう・・・やっぱ・・・読まれやすい作品にはなんか特徴ではないが・・・大きな違いがあるようにも見えてくる。なんていうか・・・設定とかの入りとかも自然で・・・人物描写も自然で・・・全体的になめらかなんだよな・・・。
読書スピードを選ばない・・・なんか、なめらかさとかがある。
設定勝ちとか言われることもあるだろうけれど・・・なんか、吾輩のと比べるとそれ以前の問題だ。なんか、違うんだ。パフォーマンスというか。
読ませる力が違う。
どうにかならんものか・・・はっきり見えない答えがある。
直観的なものかもしれない。
けど、間違いなく感じる。何か違いがありすぎると。
この程度を見極められずにどうする?
サンタ!!俺に文才をくれい!!
靴下は脳内に妄想しておくから、そこに届けてくれい!!
吾輩は考える。
どうも・・・自分の文章はカクカクだ。
書きたいことの羅列から抜け出せない・・・楽しく読める・・・テンポ。
何かあるはずなんだ・・・。
そこには、作者の考えがねじ込まれているのかもしれないが・・・技術とは違うのだろう。技術とは確立されたものである。確立されてないだろう・・・文才。何が違うのだろう?どこが違う?
どうして、こんなにカクカクしている。
構成がおかしいのだろう・・・。
なんだ?
読めば読むほど混乱を生む。違いが大きすぎる・・・。
これは・・・結論に飛んでいるからなのだろうか?
その手前の作品を探さねばならないのだろうか?
どこに落ちている・・・その作品は!?
アイウォンと。
吾輩は考える。
模写というのをやったほうがいいのか。
何か違いが書いてればわかるのか?
移していけば流れが見えてくるのだろうか?
もし、一度読んだ本の中身を書き上げようとすれば・・・違うものができるのだろうか?ストーリ構成は同じもので違う字づらが並ぶのだろう。一言一句などは覚えていない。それを出版社に送ろうものなら、パクリであることは間違いないが。
練習方法とは如何に?
吾輩は考える。
感情に言葉をつける場面って結構多いのかもしれない。
この感情を何というのだろう?
葛藤というのかもしれない。下手な自分と理想の書きたいもの間で悩む。これは葛藤ではないだろうか?それとも、コンプレックスとかいうものだろうか?それか、ないものねだりというのか?
感情にはいろんな表現をつけられる。
悲しい感情とうれしい感情が入り混じることだってあるだろう。
正反対だけど、混ざり合う感情に、あなたはなんと言葉をつけますか?
感情を表現すること。
感情表現。
吾輩は考える。
見えない恐怖との闘いというものについて。
相手は誰かもわからない。その中で、暗闇で棒を振り回す。
それが当たるのは敵か味方か?
見えないものにすら、感情を動かせられる。
そこには何もないと知りつつ怯える心。
それになんと言葉をつけよう。
・・・思いつかない・・・。
感情を言葉にするのは難しい作業である。
吾輩は考える。
読者の気持ちってなんだろう?
読者ってどんなひとなんだろう?
本当にいるのだろうか?
実はAIなのではなかろうか?
なんて、ことも考えてみる。昨今。
吾輩は考える。
ある芸能人が・・・薬物疑惑をかけられ芸能界を引退した。
そもそも、薬物自体犯罪であるのでは?
なぜ、それが警察ではなく、先に週刊誌が発表するのであろう?
容疑をかけるのは、警察ではなかろうか?
なんとなく、そこらへんの順番に違和感を感じることがある。
果たして、真相は・・・。
また、わからずじまいなのだろうか・・・。
そして、人々は見えない真実に踊らされる。
吾輩は眠りにつく。
《つづく?》
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