第232話 吾輩は説く、命の大切さを

吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。

「旦那、お目覚めですか?」

「・・・ムカつく」

「・・・」

「バカなことを言いやがって、腹が立つ!!」


吾輩は怒りを覚えてる。

くだらないこというやつがいる・・・。

それは本当にくだらない・・・


自殺できるのが羨ましいだと・・・。

何を言ってるんだ・・・。呆れてものも言えん。


死にたいとかいうやつがいる。

馬鹿な発言だ・・・。本当に愚かで馬鹿げている。

命の価値を何もわかっていない・・・愚か者の発言だ・・・。


命っていうのは・・・そんな簡単な・・・やすやすと失くしていいものではないんだ。


辛いから死にたい。苦しいから死にたい。

死ぬ理由を探すために生きてると勘違いしている。

お前の命は明日を行きたかった誰かの命と同じだなどと吾輩は言わない。

お前の命はお前のものでしかないんだ。


お前の命の価値を安く見積もるな。

どれだけ、不遇なのかも見当はつかん。

だが、生きることと死ぬことを混同するな。生きた終わりに死があるだけだ。

生きる理由なんて、生きる理由を探すことでしかない。


お前の命の価値をお前自身が信じなくてどうする?

お前の命を今の段階で値踏みするな・・・まだ完成をしてないのに。

磨き上げるんだ・・・鍛えあげるんだ・・・誇りを持つために。


苦しさは吐き出せ・・・叫んでもいい・・・。

誰かに届くように・・・。


命の価値っていうのは・・・とても希少なんだ。

ひとりひとりが違う命を持っているんだ。何かに変えられるものではないんだ。

気付けよ・・・。


お前の命だって、替えがきかない唯一無二のものなんだ。

それに途中で評価をして、失望するな・・・。

もしかしたら、今後世界を動かすようなすごい命になるかもしれないんだ。


自分の可能性を自分で否定するなよ。

生きてていいんだ。可能性を持ってる限り。


どうか、自分の価値を安く見ないでほしい。

誰しもが可能性を持っているんだ。生きてる限り。

80才だろうと100才だろうと。


どうか、自分の描く理想を叶えて欲しい。

生きてれば、それは1%かもしれないけど・・・可能性があるんだ。


理屈じゃない・・・心で生きるんだ。

夢を見て理想を抱け。


明日はいい日になると信じて。


どうか、生きることの意味を見失わないでくれ。

傷ついた心があるなら、それは誰かの痛みをわかる心だ。


君には希少な命を救う可能性がある。


それはとても価値があって、大きな可能性なんだ。


生きてていいんだ、君は。


吾輩は眠りにつく。


≪つづく?≫

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