第184話 吾輩真剣に考える

吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。

「旦那、お目覚めですか?」

「かっぱや・・・」

「カッパドキアですか?」

「違う。カッパや」

「カッパーの話はもう書きましたよ。痴呆症ですか?」

「違うーー!!河の童と書いて河童や!!」

「へっ?」


吾輩は真剣に考える。

河童はいるのか、いないのか?


まず、大前提を決める。これはレポートを書く上で重要。

仮説である。

こういう可能性があるから、こうだと思う。

吾輩はいると思う。なので河童は存在するということから始まる。


河童とは?

河童(かっぱ)は、日本の妖怪・伝説上の動物、または未確認動物。標準和名の「かっぱ」は、「かわ(川)」に「わらは(童)」の変化形「わっぱ」が複合した「かわわっぱ」が変化したもの。河太郎(かわたろう)とも言う。ほぼ日本全国で伝承され、その呼び名や形状も各地方によって異なる。類縁にセコなどがいる。水神、またはその依り代、またはその仮の姿ともいう。鬼、天狗と並んで日本の妖怪の中で最も有名なものの一つとされる[1][2]。具体例としては各地に残る河童神社、河童塚(鯨塚、道具塚と同じ)がある。

Wikiより。


さて、UMAもしくは妖怪である。

河童。


特徴としては、


 ・緑色の肌

 ・頭のお皿 

 ・背中の甲羅

 ・黄色のくちばし

 ・水かき


おそらくこれがメジャーどころだろう。

まずは吾輩の考える河童というものについて。


頭にお皿。

いやいや、ないでしょう?

何のために進化するん?

そもそも乾いたら死ぬって・・・。

皿で呼吸でもしてるん?

割れても死ぬ・・・まぁ、頭かち割られたら大抵の生物は死ぬ。当たり前。

ということでおそらく円形脱毛症の類だと思われる。

禿げてない河童もいるはず。


次に背中の甲羅。

まぁ・・・ね・・・。

これも嘘でしょう。

そうすると単なる亀の仲間である。

そもそも甲羅を背負ってるって・・・。おいおい。

なんでやねん!!

体に生えてるんちゃうんかい!!

ということでこれは、却下。

そもそも、背中に甲羅を背負う理由がない。

泳ぎにくそうだし。


黄色のくちばし。

・・・カモノハシ?

いやいや、まぁ・・・ペリカン的なね。

丸のみするのですか?

その割にはきゅうりをぼりぼりかじってますよね?

おそらく、くちばしもないだろう。

魚を飲み込むのには適してそうだけど、きゅうりを食らうには、

向いていない。

おそらく、歯があるはず。そんな気がする。


あれ・・・?あれれ・・・・?

さて、なんとなく以上の推察をまとめていく。

おかしくないか?現代での目撃情報も少ない。

昔の時代に多い・・・。

ピーンときた。


ここからは河童伝説の真相である。


頭が剥げている。円状に。

甲羅みたいに見えるものを背負っている。

河にいる。

肌が緑色。

くちばしは・・・わからん。

きゅうりを食っている。


これは、もうあれしかない。


・・・

・・・・


落ち武者です。そいつは。


わかりました。吾輩。河童伝説の大半は落ち武者です。


まず、緑色の肌。

河で泳いでいて、藻が体につき、緑色に見えた。


頭のお皿は、まげが取れ、水から浮かんでくる。

頭の禿げ部分がお皿に見える。

ドンピシャ。


甲羅については、緑色の藻がつき色が変色した、

甲冑。それが甲羅に見えた。


きゅうり。

河で冷やしているきゅうりを盗み食いしている落ち武者。


ほらね。ほぼすべての条件を満たす。

河童伝説の大半は落ち武者説。

国を追われ、居場所がなく、河でひっそり暮らしている。

落ち武者。

それが、河童に見えたのでござるよ。


だから、結論。


河童=落ち武者。

なので、河童は存在する。


「ふぅ~、やりきったぜ」

「カッパはいましたね」

「戦国時代にはいっぱいいたのだろう。川に来た牛に悪さをしているのも、落ち武者説なら納得するだろう。たまには牛肉を食べたくなったんだ。」

「ほほぉー」


吾輩は眠りにつく。


≪つづく?≫


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