ゆとり世代は付き合いが悪い?
「ゆとり世代」は付き合いが悪いというのはこれも
「ウソ時々ホント」
よくテレビなどで挙げられる例は会社の飲み会や仕事以外の付き合いをあまりしようとしないのが今の子たち。
「よし!じゅあ今日は仕事が終わった後に新人歓迎会だ!」
「あ、すいません、今日はちょっと自分用事あるんで。」
「いや、お前達の為の歓迎会だぞ!これは強制参加だ!業務命令だ!ははは!」
「はぁ…それって業務命令ならそれって残業扱いっすかね。」
「はぁ!?」
と言うのは極端な例。こういう一例を見るとどうも今の若い子たちは付き合いが悪い、ドライだと思われがちです。しかし彼らは決してそういう場が嫌いなわけではありません。
例えば僕達の世代なら、こういう飲み会の場は自主的に参加する社交の場として認識されています。なので僕達辺りの世代ならまだ先輩や上司から誘われれば相当な理由がない限り断ることはできない。寧ろ参加して人との繋がりを持つことが自分の利益になるとさえ考えることもあります。これはどんな人にも経験があるのではないでしょうか。特に仲の良い先輩上司でもなければ、会社や部署のまとまった飲み会で、それほど仲もよくないのにそういう絆を深めることでチームワークもよくなり仕事にもやる気が出ると考え、強制参加させられるものの、参加したところで自分としてはそんなに楽しくはないだろうなと。それでも誘われれば参加して当たり前で、そんな飲み会の席では先輩上司に気を使い、仕事でもないのに叱られたり、愚痴や自慢話をとことん聞かされたり、翌日も仕事なのに夜遅くや明け方まで連れ回されたり、こういうことを考えると本当はそういう飲み会に参加したくないなと思う人もいるかもしれません。増してや先輩上司はそれでも後輩部下は飲み会に連れていくのを喜んでいるとさえ思っている人もいます。まさか後輩部下が嫌々ついて来ているなんてつゆ知らず。
因みに僕は幸いにも周りには大好きな先輩上司ばかりなので飲み会の誘いを嫌だと思ったことはあまりありません、あったとしてもどうしようもなくきつくて翌日も早朝から仕事だけど断りにくい状況などはたまにあります。しかしほとんどは楽しく参加していますし、そんな先輩たちに真夜中の中州やすすきのでちょっといやらしいお店にも連れて行ってもらって社会経験を積んだり、屋台で話を聞いたり、逆に聞いてもらったりしました。更に多くの場合先輩上司には奢って頂くことも少なくないので、感謝しています。
しかし少し下の「ゆとり世代」になって来ると事情は変わってきます。どちらかと言えば僕達の世代よりもはっきりとしていると言えば聞こえはいいかもしれません。彼らにとって嫌なものは嫌なのです。自分の楽しめない飲み会は極力参加したくないし、その為に仕事以外でプライベートの時間を削られるのを嫌がります。例え無理やり誘ってもそういう子たちはちっとも楽しそうにしないし、こっちから見れば「おいおい、参加したからにはもっと盛り上がろうぜ。」と思うことも多々あります。そして1軒目のお店を出ると、酷い時には挨拶もせずに2件目へ引っ張られる前にとそそくさと退散します。僕達は必ず状況を見て2件目に行く雰囲気かどうかを見て、先輩上司が全員出てくるのを見るか、後輩の自分達が最後座席のチェックまでして最後に出る(この時上司が奢りで会計をしている時は絶対にそれが済んだのを確認してから出る)。僕としては自信が酔い潰れないようにリミッターをかけ、もし先輩上司、また真ん中の立場なら後輩部下が酔い潰れた時にすぐに介護に回ったりなんだかんだの処理をしたりできるようにしたりしておきます。もちろん木野合う仲間と飲む時などは別で、とことん飲んで潰れる時は潰れます。社会人になればこの辺の判断はできるようにしておかなければ。
しかし若い子達も気の許せる人達ならば話は変わって喜んで飲みに行きます。なのでもし今の若い子達が先輩上司や、会社の部署などの飲み会を断るようならば、「今の若い子達はだめだな。」と思うのではなく、先輩上司の皆さんが本当に一緒に飲みたいと思えるような雰囲気を作っているのか、コミュニケーションがとれているかなど自分達を疑った方がいいのかもしれませんよ。義理や人情だけで時間やお金を使いたくないというのが今の子たちの考え方です。それがいいか悪いかで答えろと言われれば僕としては判断に困りますが、業務外の時間であれば後は個人のプライベートな時間、強制することは出来ないというのは正解だと思います。
余談ですが僕は入社した時会社の規定により一つの家や普通のマンションの1室を数名でシェアして会社の寮として住むようになっていました。僕達同期で住んでいる頃は寝るとき以外はリビングに居て食事もテレビを見る時も大体一緒に居ました。しかしこの寮も異動やなんやでメンバーが入れ替わり、新人が入るとその度にいくつも寮を借りる訳にもいかないので新人が僕と一緒に暮らしていたこともあります。そうすると最近の子達と言うのは、自分の部屋に籠りがちになります。食事も自分の部屋、テレビも自分の部屋に付け、一緒に住んでいるにもかかわらず顔を合わせないということもありました。そうか、やっぱプライベートが皆一番大事なのだなと感じたのを今でも覚えています。プライベートを大切にするというのは悪いことではないのですが、今の上の世代から見ればこれも「ゆとり世代」の悪い特徴の一つとなっているようです。
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