第14話 叱責…そして
――
義経は法皇に呼ばれていた。
「鎌倉のやりよう…さぞ悔しかろう、九郎よ、ソチの功は誰よりも
「身に余る光栄。なれど…鎌倉から無断の任官は許さじとのおふれが…」
「なんと!それは鎌倉が…
「いや…そのようなことは…」
「任官を決めるのは
――鎌倉
「なんと!義経め!勝手に任官を受けたとな!」
「殿…これは罰せねばなりませぬぞ!功もないうえ、勝手に任官を受けるなどあってはならぬこと」
北条(恐妻)政子…言葉と裏腹に愉快といった表情を隠せぬ陰湿な女帝であった。
義経は激しい叱責を受け、平家追討の任も外された。
「余は嫌な予感がしたんだよ~」
ヒックヒック泣いている義経である。
ベン・ケーがオロオロしながら、猫で義経を慰めようと奮闘中である。
「ハッキリしたじゃねえか殿」
三郎がキレ気味の
「謀反でも起こさせようって腹じゃねぇのか?鎌倉殿は!」
「バカなことを口にするな!」
「
「どうすれば良かったというのじゃ~!」
その頃、
しかし、
この大苦境を打開すべく、鎌倉がだした決断は…まさかの義経投入である。
結果だけ見れば…常勝の将、苦々しくも、他の物で勝てる気がしない
出発したはいいが、船もロクに揃わない源氏で九州で戦になるのだろうか?
なるわけないのである。
(船を揃えないとな~)
ぼんやりと考えながら、馬に揺られる義経。
「ダイジョウブ Boy? キモチワルイノ?」
乗り物酔いを気にするベン・ケー。
そう自身も船酔いに悩んだ経験から、乗り物酔いの辛さは知っている。
「コレ、カムトイイネ」
なにやら葉っぱを差し出すベン・ケー。
ボーッと言われるままに口に含む義経…。
(
少数の船しか持たない義経であったが、奇襲により平家を海へ追いやるのだが…。
いかんせん、そこまでである。
海に出られると、手出しが出来ない。
そんな折、海岸で平氏と対峙していた義経に
「殿!」
ドスッ!
「
「ぼーっとしてんじゃないわよ…」
「大事ないか?」
「あ~、傷が残ったら嫌ね~…責任取りなさいよ…ね……」
「
「義経、家人に救われたな!次は必ず…射抜いてみせる!命預けたぞ!」
「
「なんの、兄上は死なぬ…」
詫びる義経…そもそも討たれたのは、自身の弓を海へ流したことに気を取られたからだ。
「すまぬ…詫びる以外ない…」
「奥州へ返したぜ」
三郎が顔を出す。
(死なねぇよ…死なせねぇよ…)
密かに唇を噛む三郎であった。
義経は頭を悩ませていた。
「ダイジョウブ Boy? アタマイタイノ?」
「コレ、カムトイイネ」
(
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