第11話 3度目の正直?
「うん?…………はっ!」
「
「伝言がございます」
「伝言…義経からか?」
「はい、
「なっ…バカにしおって!」
「殿!」
「礼を言わねばならんな…
「
「はい…殿」
吸い込まれるように、寄り添い馬を走らせる2つの影が夕日に呑まれていく。
「良かったんですか?殿」
「良い…最大の功は、
「まぁ、殿らしいですがね」
三郎が肩をすくめる。
鞍馬山を出て10年、ふたたび京へ入る義経であった。
『
京での義経の評判は上々で、軍規も乱さず、
「で、義経は何か褒美をねだっておらぬのか?」
「はい、特になにもいらぬと、しばし静かに休みたいそうで」
「なんとも欲の無い男よの」
官位はいらぬ、金もいらぬ、…女かの、
「
「そうですな…」
――
「院より京一番の
「
「殿!良かったな」
三郎が義経の肩を肘でつつく。
「やめい!
「嫌な思い出って?」
「不思議と、付いていくと、縛られるているのじゃ…摩訶不思議よの」
HAHAHAHAHAHA!
酒の席も、ほどほどの時刻となると、
お面を付けた、白拍子が数名入ってきた。
「女はちょっとね~」
「義経ちゃん♪」
なにやら聞き覚えがある様な…寒気が走るような…。
「ばぁ~!」
お面を取ると
「静ちゃん!」
「久しぶりねェ~♪、立派になっちゃって」
と股間を擦るあたり、さすが京一番である。
「いやぁ~、ベン・ケーに比べれば、まだまだ…言ってる場合か!」
「怒らないの♪
「騙されぬぞ!もう騙されぬ…」
「なに?疑うの?ぱふぱふしたくないの?ぱふぱふ」
……♪……
「どうだった義経ちゃん♪」
「うん……静ちゃん大好き」
翌朝、
「軍議である!」
大手の大将、
「平家討伐に出陣する!」
(いきなり~、疲れてるのに~)
皆、あからさまに嫌な顔である。
この男、手柄が欲しくてしょうがないとみえる。
まぁ大手の大将でありながら、手柄を全部、
京でも居づらい毎日であったし…。
「そのとおりでござる、義経殿のように、一時の勝利に
この頃、平家は福原まで進み、西は一ノ谷に城を構え、東は生田の森まで陣を構えていた。
知将
そして、
軍議の結果、
義経に与えられた兵は五百、
これに
難攻不落の一ノ谷を落とす…これが義経に与えられた命であった。
「静ちゃん、余はまた
「義経ちゃん、かわいそう、もう奥州に帰っちゃう?奥州で
「うん……でも奥州に帰るとか言えない雰囲気が(泣)」
「京も
「うん、余も奥州に帰るよ、もうちょっとしたら」
源氏 京を発つ。
この報を受けた
「義経が消えた?」
「はっ、大手に義経はおらぬとの報告です」
「消えた…と見せて…義経はココよ!
「応!」
薄く微笑む平家の知将・勇将であった。
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