もんはン。

 いつものバス停にて――


「ビッグアメリカンバ~ガ~っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「画像をみると割とボリュ~ムがある一品ね。ウチのバ~キンはエビバ~ガ~かぁ~……」

 少し物足りなさそうに画像を見ながら洩らす月夜。


「バ~キン自慢の一〇〇パ~セントビ~フパティ――これよね~。ウチが推すのはこ~ゆ~トコなのよね~。そのパティにエビを六匹。ウチ的にはパティを六枚とかシンプルに肉量アップみたいなものがよかったな~」

 月夜がそんな無茶な妄想をしている隣では、


「JKたいサメさんっ⁉︎」

 イブキが最新の映画情報を見ていた。


「カイテ〜47メ〜トル こだいマヤのしのメ〜キュ〜。めのみえないサメさんとメ〜キュ〜でまいごになったJKとのたいけつっ! これはサメえ〜がハンタ〜としてはみとかないよねぇ〜」

 イブキの脳裏に数々のサメ映画の思い出がフラッシュバックする。


「なんだろ? あんまりたのしかったモノがない……」

 九割がハズレといわれるサメ映画をサメというだけで精神を支えて見続けるイブキ。


「JKとサメさん……」

 イブキは海で泳ぐ月夜をイメ〜ジし、バックには有名なサメ映画サメ登場を匂わせるBGM――サメの視点になり背後から月夜の足を――!

 次の瞬間ものすごい力で背ビレを持たれた、腹を喰いちぎられるサメ!


「まあ月夜あいてならそ〜なるよねぇ〜」

 エイリアンにバッグドロップ! プレデタ〜にバックナックル!


「……なんでウチそんな扱いなん?」

 イブキの頭の中が視えてるようにそう洩らす月夜だった。

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