おもわセ。

 いつものバス停にて――


「う~ん……冷やしとかサッパリしたモノが増えてきたわね~……」

 月夜がグルメ系アプリの記事群を眺めながら、不満そうに洩らす。


「食欲がないときこそガッチリとっ! ダルいのは栄養が足りない証拠よ、そ~ゆ~時こそ肉よっ! 冷やしウドン、素麺――ステ~キや焼き肉、朝から牛丼でしょ! 肉を食べ続ければ三〇〇歳まで生きれるって研究結果もあるのよ! ウチの研究だケド」


「平賀さんも夏にウナギが売れないからウナギを食べる習慣をつくったのなら、夏は肉しか食べちゃダメみたいな習慣もつくってほしかったわよね~」

 もし、そんな習慣ができてたら超短命国家ができてしまっただろう。


「朝は牛丼、昼には軽く焼き肉、夜は一キロステ~キで絶対夏バテとかしないわっ!」

 瞳をマンガ肉にしながら、そんな無茶を言う月夜の隣では、


「ダンセ〜にきいてみた、そのオンナのコをえらんだリユ〜?」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「そんなの知ってど〜すんの?」


「こ〜ゆ〜のしっとけばモテそ〜じゃない?」


「そうかしら? ――で、なんて書いてあるの?」


「オトコのヒトに「おれがいないと――」っておもわせるんだって」


「ふ〜ん……じゃ、アンタ無理そうじゃない」


「ん〜……」

 しばらく考えた後、


「ゲ〜ムのパ〜トナ〜とか?」

 唯一おもいついたのがそれだった。

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