ほ〜そク。

 いつものバス停にて――


「マックから肉らしいほどうまいビ~フバ~ガ~販売っ!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「やっぱり肉よね! 肉らしいほどおいし~っ!! 肉に近づけば近づくほどおいし~料理、これ真理よねっ!!」

 勝手にそんな肉愛を爆発させる月夜。


「そのリロンだとウシさんがまるごとイット~でてくるのがサイコ~のリョ~リになる」

 イブキが三〇〇キロの牛が「も~も~」ないてミシミシいってるレストランのテ~ブルをイメ~ジする。


「もういっそパティだけ一〇〇枚バ~ガ~とかないかしら?」

 瞳をマンガ肉にしながら、そんな声を洩らす。


「それハンバ~グをかさねただけだよぉ~」


「肉バ〜グにステ〜キに焼肉をセットにしてほし〜わよね!」

 肉三昧セットをイメ〜ジする月夜。


「でも、アンケ〜トではダブルチ〜ズバ〜ガ〜よりもフツ〜のチ〜ズバ〜ガ〜のほうがジョ〜イだよ」

 イブキがそんなアンケ〜ト結果を見せてくる。


「そ、それは……な、なにかの間違いよ」


「ダブルよりフツ〜のをみんなのぞんでんだよ」


「そ、そんな肉が多いほうが絶対いいハズなのに……はっ!」


「みんなそんなにニクをもとめてないんだよぉ〜」


「違う……これはダブルチ〜ズバ〜ガ〜買うよりも普通のチ〜ズバ〜ガ〜二個買った方がお得の法則よっ!」


「ん〜……ちがうとおもいます」

 そういうイブキの意見は月夜の耳に届かなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る