まいぞ~きン。

 いつものバス停にて――


「コンビニでおでん缶ならぬカップおでんが売ってる?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「おでん缶か~……冬とかについ買っちゃうのよね~。子天狗のやつ。値段のわりに中身がたくさんでなかなか食べ応えあるのよね」

 真冬の思い出を起こしながら。


「カップおでんはジュ~スみたいなカップにはいって二九八円。値段的に三個か四個いりかしら? だいたい単価が一個八〇円くらいなのよね~」

 そんな事を言いつつ続きを読み進める。


「季節的には暑いケド、一度食べてみようかしら?」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「ロッキ〜さんみゃくにかくされたマイゾ〜キンがはっけんされるっ⁉︎」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「お〜! マイゾ〜キンがみつかったニュ〜スなんてはじめてきぃ〜たよっ!」


「なんかみつからないからマイゾ〜キンてきなイメ〜ジだったのに……かくしたのはアメリカのフゴ〜でカチは1オク1センマンエン……なんかショボ」

 そんなケチをつける。


「マイゾ〜キンならキンカイとかキンのインゴットとかだよねぇ〜」

 金銀財宝の山をイメ〜ジしながら、


「イブキさんもねらってみよぉ〜かなぁ〜?」

 早速、通販サイトでスコップを探しはじめる。


「アンタがなんの埋蔵金狙うのよ」

 半ば呆れながらそういう月夜に、


「トクガワでしょ!」

 瞳を葵の御紋にしながら言うイブキだった。

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