まさイ。

 いつものバス停にて――


「十万円だもんね~……」

 月夜が国が発表している給付の受け取り方法を読んでいた。


「やっぱり牛丼関係よね……牛丼製造機があればそれで決定なんだケド……」

 架空の器物の名前を口にする。


「できれば十万円つかって週一で牛丼食べれるシステムをつくりたいわね……なんとかできないかしら?」

 月夜は様々な事を考えながら、そんな無茶を口にする。


「3Dプリンタ~がやすくなってきてる? まえはサイテ~でも10マンエンスタ~トだったよね? それが3、4マンエンでかえるモノもあるんだぁ~」

 テクノロジ~系ニュ~スの中にあった、そんな記事をイブキが読んでいた。


「3Dプリンタ~っ!? そ、そなら牛丼製造機に――いえ、牛丼のフィギアができるぐらいね」

 一瞬、食いつきかけた月夜はそんな声を洩らす。


「へェ~……マサイぞくのヒトがおかねがはいったらほし~モノがワダイ?」

 隣ではイブキがTwitterで話題のそんな記事を読んでいた。


「アフリカのぶぞくだっけ? わりとゲンダイっぽいセ~カツしてんだよねぇ~。コシミノにヤリなスタイルじゃなくってTシャツにジ~ンズでスマホいじってるすがたがガゾ~にあがってたよね」

 アフリカっぽいトコでラフな格好でスマホをいじる青年の画像をおもいだしながら、


「マサイぞくのせ~ねんはおかねがはいったらウシをかうっ! さいしんのスマホかなぁ~っておもったらいがいブゾクっぽいモノだったっ!」


「牛を買う! そ~よ!! まずそこよポ~クカレ~をつくるならまず豚、海鮮なら海老の養殖を」

 月夜がそんなバンドアイドルのような事を口にする。


「牛丼つくるならまず牛じゃない! 牛を買う」


「……月夜はマサイぞくにうまれるべきだったかもねぇ~」

 そんな事をいうイブキだった。

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