【きんきゅ~そくほ~】つちのこはっけんされル。

 いつものバス停にて――


「あ、アメリカさんがまたとてつもない発明をするっ!?」

 月夜がなぜかグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「あ、アメリカは侮れないわね……唯一、牛丼を脅かす存在があるとしたらアメリカよね~。洪水の最中でも膝に水が浸かっててもBBQを止めない肉エリ~ト……お、おそろしい」

 脳内で米国国歌を響かせながら、一体なにと戦っているのか理解できない事を言う。


「そんなアメリカがピザを気軽に持ち運べるピザ専用ポ~チを開発――持ち運ぶっ!? ピザ持ち運ぶかしら?」

 月夜がズボンのポケットにピザをいれるアメリカ人の姿をイメ~ジする。


「さ、さすがアメリカね……世界一の大国なだけはあるわ! いきなりじゃなくって牛丼チェ~ン同盟を送りこむべきだったかしら? YSM包囲網で日本の肉力をみせつけてやるべきだったねっ!」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「そ、そんな……」

 イブキもスマホ画面で何かの記事を読んで驚愕していた。


「ほ、ホッカイド~でツチノコがはっけんっ!?」

 そんな怪しげな記事に喰付いていた。


「ほ、ほんとならセ~キのダイハッケンだよねっ!」

 イブキが瞳を輝かせながら続きを読み進める。


「ホッカイド~のトカチダケにツチコノがはっけんされた! しかし、ハッケンされたバショはカツカザンのカコ~! トザンド~からもはずれヒジョ~にキケン! お~! さっすがいままでハッケンされなかっただけはあるねぇ~……そんなゲンカイカンキョ~にいたんだっ!」

 イブキはロボアニメのマグマの中にいた幼体をイメ~ジしながら、


「やっぱりDガタそ~びとかでいったのかなぁ~? はっけんのショ~コとしてセンメ~なガゾ~を――ガゾ~あんだっ!?」

 興奮して下へと画面を送り、表示された画像には――


「あら。立派なツチコノね」

 テンションを下げるイブキの隣でそういう月夜がみた画像は――航空写真の一角に『つちのこ』と平仮名で書かれた文字が写った画像だった。

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