ぽてト。

 いつものバス停にて――


「牛丼を洗濯したなど洗濯機から出てきた、驚きの物?」

 月夜がそんな記事を読んでいた。


「牛丼以上に驚く物なんてあるのかしら?」


「カツ丼とかかしら?」

 そんな事を言いながら続きを読み進める。


「……ネズミ。一緒に洗濯してしまい土座衛門状態のネズミ……」

 読んで後悔したといった表情でそう洩らす月夜。


「ほかにもムカデやクモ……さらに――カサカサと――もう読まなくていいわよね」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「ポテトをはさんだポテトバ〜ガ〜っ⁉︎」

 イブキがグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「なんか店員さんがやったアイディア商品みたいな品ね」

 ポテトが挟まったハンバ〜ガ〜の画像を見ながら、そういう月夜。


「きっとセットポテトLにしたうえにさらに2コたんぴんでたのむヒトがやったんだろぉ〜ねぇ〜」


「アンタみたいな人ね」


「いやいや。ポテトはみんなすきなんだよ。ポテトきらいなジンルイはソンザイしてないよぉ〜」


「そ〜かしら?」


「月夜もたべてるし」


「出てくれば食べるわよ」


「ほかにもポテトをいっしゅんでカリカリにもどすホ〜ホ〜とかゆ〜キジもいっぱいよまれてるし、みんながすきなショ〜コだよっ!」


「そっかなぁ〜。ウチは読まないな〜」


「それは月夜のポテトのたべかたがザツだからっ!」

 イブキはLサイズポテトを一口で全部口の中に入れて食べ切る月夜の食べ方を思い出すのだった。

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