とりちきン。

 いつものバス停にて――


「あるセンセ~のつぶやきがワダイ?」

 イブキがTwitterで話題のそんな記事を読んでいた。


「シ~チキンをトリニクだとかんちがいしていたセ~トに「いちりあるけど、シ~がついてるよね」っていったら「ウミのトリニク――まさかペンギン……」といってゼツボ~てきなヒョ~ジョ~になったかぁ~。ちがうよねぇ~シ~はシ~スパロ~のシ~だからシ~チキンのショ~タイはカモメだよっ!」


「ちがうわよ。あとペンギンはマズイらし~わよ」

 イブキの後頭部を軽く小突きながら、


「えっ! マズイの? でも、なんでそんなコトをしって――」

 絶望的な表情をするイブキ。


「食べた事ないから。ペンギンはタマゴをふくめて食べる事禁止されてるから」


「そ~なんだぁ~」

 ホっとするイブキ。


「一九世紀までは食べてたみたいだケドね~。酢の中に漬けてシチュ~にするとおいし~って文献が残ってる…みたいだケド……そ~いえば今週のゴ~ルデンカ〇イ(229話)も最後三ペ~ジはすっごくよかったわっ!」

 ポツリと洩らした呟きにドン引きするイブキ。


「そうそうトリっていえばヤマドリってヒトのあとおっかけてくんだよ」


「へぇ〜……」


「なわばりにはいったヒトをおいはらうコ〜イらし〜んだけど、トリがヨチヨチついてきたらカワイイだけだよねぇ〜」


「なんか焼き鳥にされそ〜よね〜」


「……ヤキトリ」

 最近は数が減っているという一分を見ながら、そう洩らすイブキだった。

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