え~きゅ~きかン。

 いつものバス停にて――


「そっかぁ~……」

 イブキがスィ~ツ系のニュ~スを見ながら、そんな声を洩らす。


「も~すぐバレンタインかぁ~……コトシはどんなんつくろぉ~かなぁ~?」

 そんな事を言いながら今年の流行りを調べる。


「チョコら~めんにチョコみかんぶり――なんかコトシはせめてるるねぇ~。さっすがレイワはつのバレンタインっ!」

 イブキがそんな魔改造された品物の製作を考えている隣では、


「有名牛丼チェ~ンで全時間帯『定食』でのゴハンおかわり無料っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「これって定食頼んで牛肉皿たのめば……」

 月夜の脳内で二つがドッキングし、


「牛丼になるじゃないっ!」


「定食頼んで食べずにゴハンおかわりと牛皿頼み続ければずっと牛丼食べ放題っ!」

 なぜそうなったのか途中経過が謎な理論を口にする月夜。


「すごいわっ! 牛丼永久機関よっ‼︎」


「ギュ〜サラぶんのおかながつみあがっていくんじゃないの?」

 隣で聞いていたイブキがそう理論矛盾を指摘する。


「そ、それは……たぶんそのうちに肉もおかわり自由になるのよっ!」


「なんないとおも〜よ」


「いつか牛丼は全ての食べ物を駆逐したらきっとできるっ!」


「……そんなミライやだなぁ〜」

 月夜の夢みる未来世界を即否定するイブキだった。

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