あまいも~そ~とざんこくなしんじツ。
いつものバス停にて――
「ドライバ~一本で建てたれるド~ムハウス?」
月夜が白くて丸いド~ムハウスの画像を見ながら、
「なんか――どっかで見た事ある光景ね~……」
画像を見ながら、そんな声を洩らす。
「価格は六五〇〇〇〇円……テントにしてはムッチャ高いわ。内装とか見ると、かなりシッカリしてるしこんなモノなのかしら? ドライバ~一本で二人でやれば一時間で設置可能。割と手軽ね~コミケ前のベ~スキャンプとかに利用できないかしら?」
逆三角形が特徴的なイベント会場の周囲に大量にあるド~ムハウスをイメ~ジしながら、
「ふ~……」
イブキが光彩の消えた瞳で冬の寒空へ向けて白い息とともにそんな声を洩らす。
「キョ~はどこいこっかなぁ~? アイスもいいけど……温かいパンケ~キとか、ひさびさにパフェでもいいかなぁ~?」
なるべく月夜のほうを見ないようにしながら、譫言のようにそんな声を洩らす。
「かえったらど~しよっかなぁ~? ディリ~やってウィクリ~やって、マンスリ~はやっちゃちゃたからできないし……」
そんな事をいうイブキに月夜は、
「今日から学校よ」
「!」
イブキが一瞬、硬直すると、
「あれれ? おっかし~なぁ~ナノカからだよガッコ~」
「今日が七日よ。スマホに表示されてるでしょ」
「イブキさんガラケ~だモン。ガラケ~はいま0ガツ0ニチだもん」
「アンタそんな物もった事もないじゃない。江戸時代の機械って言ってなかった?」
「ガラケ~ゆ~ざ~はエイエンに2019ネンだモン」
「Twitterでそんな事、話題になったケド、ほらしっかり画面見て! 七日でしょ?」
ガラケ~と言い張る最新の大型スマホ画面を見るイブキ。
「こわれてるなぁ~」
タイミングよくやってきたバスの中へイブキを放り込む月夜。バスは何事もなく出発し新学期が始めるのだった。
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