しんだン。

 いつものバス停にて――


「遺伝子編集をして開発された食用に適した鯛か~」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「トマトとか植物系はあんまり抵抗ないケド、魚とか牛、豚の遺伝子編集って聞くと、ちょっと心配になっちゃうわよね~。それ食べて大丈夫? みたいな感じで」


「月夜ならなにたべてもヘ~キだとおも~う」


「でも、肉厚になったおいしそ~なだし、牛丼もやっぱり遺伝子レベルで味を調整しないとこれ以上にはなんいわよね~」

 イブキの声を聞こえないフリをして、そう洩らす。


「そ〜すれば究極の牛丼が――っ⁉︎」

 月夜がそんな野望を夢みている隣では、


「AIがハシのタイキュ〜セ〜をシンダンする?」

 イブキがテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「いままではギジュツしゃがヒョ〜メンをハンマ〜でたたいて、そのときのオトでシンダンしてたけど、これからはハシをうえをクルマがとおったド〜ガだけでシンダンがカノ〜になるかぁ〜」


「やっぱしジダイはAIだよねぇ〜。はやくクルマにコンビニにオンゲのおともに月夜にAIいれてほし〜」


「……ウチにど〜やっていれんの?」


「ロボットてきなハ〜ドめんはともかく、すぐにド〜ニュ〜できそ〜なソフトめんはすぐやってほし〜よねぇ〜」


「ハンマ〜で叩いて老朽具合測ってたのね〜……」


「月夜がやったらどんなハシでもおちそ〜だけどねぇ〜」

 バス停を軽々弄ぶ月夜を見ながら、そういうイブキだった。

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