うぃんナ~。

 いつものバス停にて――


「なにその――ボ~じょ~のモノ」

 イブキが月夜の持つ物を指しながら、


「ん? ちまき。中華まん買おうとしたら、新商品っで売ってたの、湯葉で巻かれてておいひ~わよ」

 寒空の下、ホカホカと湯気をあげる棒状の食べ物にかぶりつきながら、


「う~ん……鶏肉と豚肉の味が染みた米ってサイコ~」

 頬を押さえながら、そんな声を洩らす月夜。


「中華まんもいいケド、たまにはこ~ゆ~のもいいわよね~」

 唖然とするイブキを気にせずに棒状の食べ物を咀嚼する。


「……まあ、いいや」

 両手にもったちまきに夢中になっている月夜にそんな事を洩らしつつ、


「サイコ~のウィンナァ~……?」

 そんな記事を読みながら、顔の描かれたタコさんウィンナ~をイメ~ジするイブキ。


「そんなにシュルイあったっけ? とりあえずあかいヤツとしかイメ~ジできないけどぉ~……」


「ふふん♪ シャウとバイエルンじゃボイルしたときの皮の硬さがぜんぜん違うのよ」

 ちまきを法張りながら、そういう月夜。


「そなの? とりあえずやっすいのかってる」


「それはダメな選び方ね。たくさん種類あるケド、ちゃんと特徴があるから――」


「そっかぁ~……ん~……」

 少し考えた後に、


「イブキさん。チ~ズはいってたらなんでもいいかなぁ~」


「子供ね~」


「コドモなのっ!?」


「大人はシャウを選ぶのよ」


「……さいきんはシャウのチ~ズinもあるよ」

 ど~でもいいウィンナ~談義だった。

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