ろス。

 いつものバス停にて――


「SE2かぁ~……」

 イブキがテクノロジ~系ニュ~スの中にあった、記事を見ながらそんな声を洩らす。


「ホントにでんのかなぁ~? も~なんかいもでる→でない。でるっ!→でない。をくりかえしたからなぁ~……。まえなんてインドからカタバンがリュ~シュツっ!? こんどこそゼッタイでるからっ! ゼッタイだからっ!→でない。も~アップルがだすっていってもしんじないモンっ! ストアにならんでめのまでくるまでしんじないっ!」


「セ~ノ~は11とおなじで399ドル? 4マンエンちょっとかなぁ~? まあアナリストのぶんせきもでないとねぇ~……」

 完全にフェイクニュ~ス扱いで、そんな事をいうイブキの隣では、


「大手牛丼チェ〜ンが宮城、福島、栃木で電気、水道が停止したため営業を休止していると発表っ!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「大変っ! 人間は三六時間牛丼を食べないと生きていけないのよっ! すぐに牛丼カ~を送って牛丼ロス状態を救わなきゃ!」


「……イブキさん。イッシュ~カンはたべてないけど……」

 その呟きも月夜の耳には届かない。


「店舗も強化しないとイケないわよねっ! 店独自の水浄化システム、汚水がはいりこまない排水システム、外部から供給がなくても一週間稼働できる独自の発電機! 米は備蓄一〇年、肉だけは仕方ないわよね~。通販の冷凍パック一〇〇〇〇人分ぐらいかしら?」

 月夜がそんな核シェルタ~なみの設備を口にする。


「これで国民全員に牛丼を行きわたらせる事ができるわっ!」

 牛丼狂信者がそう宣言するのだった。

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