いくつ?

 いつものバス停にて――


「ふ~ん……発注ミスで大量のプリンが納品ねぇ……」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、ツイッタ~で助けを求めるモノを紹介した記事を読みながら、


「最近、多いよねこ~ゆ~やつ……プリン888個なら四、五人でがんばればいけそ~な気がするケド……」

 と、女子高生が全員、自分並みの胃袋をしている前提で無茶な事を呟く。


「ふむふみゅ……そ~なんだ……」

 そんな月夜の隣でなにかのアンケ~ト記事を真剣な表情で読んでいるイブキ。


「なに読んでんの~?」

 気になった月夜がイブキのスマホ画面を覗き込んでくる。


「ん? ほら――」


「毎年、バレンタインにどれだけチョコもらあえるかを男性諸君に聞いてみた?」


「そそ」


「こんなん読んでど~すんのよ?」

 呆れ顔でそう言ってくる月夜に、


「よくみてよっ! 40パ~セントのヒトがチョコ0なんだよっ!!」


「へぇ~……意外ともらってない人が多いのね~」


「そ~なんだよ! ここにイブキさんがチョコもってサッソ~とあらわれたらど~なるとおもう?」


「さぁ?」


「んふ~♪ みんなイブキさんもむらがってきちゃうんだよっ! イブキさんをめぐってセンソ~になっちゃうかもしんないよ」


「それはない! 路傍の石のように誰にも相手されなくて終了だと思うよ」

 夢(野望?)見るイブキにそう現実を突きつける月夜だった。

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